『クロ吉の日常』
○月○○日
僕と可奈ちゃんは仲良しだ。可奈ちゃんはいつものように僕を抱き上げる。
「クロ吉、学校行ってくるからお留守番してるんだよ」
僕はわかったと伝える。「にゃー」 にっこりとほほ笑み返す。可奈ちゃんは僕を下す。 振り向き、ざまに
大きく手を振る。可奈ちゃんの後ろ姿を見るといつもどこか遠いとこに行くように切なくなる。
さて今日は何をしよう。僕は大きくて白いモアモアして色々な形に変化するもの見ながら思い浮かべる。
あの形はにゃん五郎に見える、あっちはよつきと遥歩に見える。ここ、最近、可奈ちゃんのお家から出たことがない気がする。
今度は可奈ちゃんに見える。 今頃。可奈ちゃんは・・・・
ドアが開く、バタバタと音ともに僕は抱きあげられる。 その小さな手はあたたく、温かな頬は僕の毛に当たる。
「クロ吉、ただいまー」
可奈ちゃんの元気のいい声が僕の耳に奥に響き渡る。僕も嬉しく返事をする「にゃー」可奈ちゃんには届いたようににっこりとほほ笑む。
外が暗くなると僕は可奈ちゃんのふとんの中に隠れる。
ドタドタと音が聞こえると僕が隠れていることがわかってるかのようにふとんをめくり上げる。
「クロ吉、みーつけた」
「にゃーん」
僕は可奈ちゃんの腕の中で眠りつく。可奈ちゃんは、ぼそぼそと呟く「クロ吉とはいつもいっしょだからね。むにゃ、むにゃ」