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二章 始まりの火種

「貴方は本当に『帝王』アンジェルノ本人であり、死んだことがないということですね…?」



アンジェルノが行動を起こすより先に、セイブは唐突にアンジェルノに質問した



「…?また妙なことを…」



――先の異変といい、この女はその異変か何かに関与しているのか――



「解せんな。何故私が死んだなどと戯言を口にする必要がある?お前、何か知っておるのか?」


「…」



もしこのアンジェルノが一度も死んでいないのならばセイブの発言を不思議に思うのも仕方がない



セイブにとって今はひとつでも多くアンジェルノ達の情報を得たいが、どう曲がっても彼は自分達の驚異の一つになるのは間違いない



そう踏まえたセイブは、自分の知るアンジェルノの人生の経由を伏せ、少しでも長い間混乱の中に相手を留まらせるため、回答に迷ったあと、少し落ち着いた態度で言葉を発した



「いえ、貴方の祖国は『セルビア』の王により沈められたと聞いたもので…」



「……」



この発言はセイブにとっては賭けだった



彼女が口にしたことは最早百年近く前の出来事で、アンジェルノは「セルビア」の王との戦争で祖国を失った



戦争には負けたものの、「親王」ゼルラージと対峙し、互角に渡りあった為に「親王」に気に入られ「セルビア」に合流した



後にバジール・ジークフリートとの激闘で命を落とし、半年前

『神魂器』の実験の為に力を押さえられたまま復活して、『八人姉妹』により再び倒されている



もし彼が一度も命を落としていないというならば、バジールと戦う以前の彼が何らかの作用で過去からやってきたのか、死んだという記憶を失った状態で誰かに復活させられたのか、そのどちらか二択しか考えられない



仮にその考えが当てはまっても、万が一彼が「セルビア」と戦う以前の時代の者なら「勝手に祖国を滅ぼすな」と逆上し、襲いかかってくる可能性もある。彼につき従う二人の女性の正体さえ分かれば確信に近づけるかもしれないが…



「なるほど…『セルビア』との戦争を知っており、その後の私の動向を知らなかったのであれば、そう思うのも仕方がないな」

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