二章 始まりの火種
問題はなぜ死んだはずの彼が生きており、今このようにして自分達と戦っているのか
「アンジェルノ…なんで…生きているんだ…?」
驚きの余り、言葉を漏らしてしまったアウセントに狙いを定めたアンジェルノは、地上からは暗黒の光を、天空からは白銀の光を縦横無尽に展開させ、アウセントを中心に渦巻くように複数の光が接近する
「何の話だ…?私がいつ死んだと言っている…そのような噂でも流れているとでも言うのか?」
飛び交う複数の光線に囲まれ、逃げ場を失ったアウセントは右肘の辺りに『魔方陣』の円を展開し、アンジェルノの背後へ瞬間移動する
勢いにのったアウセントは棒でできた武器を右手に攻撃を試みるも、アンジェルノの大剣により簡単にさばかれてしまった
「私をアンジェルノと知って潔く戦うのはいいが、隙が多いぞ…小僧」
攻撃をさばかれたアウセントは空中で体勢を崩し、そこへアンジェルノの拳が飛び、アウセントは下方へと吹き飛ばされた
彼は建物を貫通し、暗黒に染まっていた地面に体が食い込む
「…っ!!」
この難を逃れようと瞬時に体を起こすが、時すでに遅く、地面から溢れだした大量の黒い光線はアウセントの体を包み込んでいく