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一章 始まった世界

「そいつの『中にいる奴』は…?」


「それは分からん。いずれ相対すれば分かるだろう。それにもう一つ問題がある」



―――もう一つの問題―――?

そう深刻そうに言われたエンダルフィンは目を細める



「何があったんだ?」


「スタードやザヴァルグと時同じくして、この世界に生きた『神魂器』のセクゼオンやゼノレンまで過去からやって来た。オレ達に対する記憶の有無は分からんが、早急に消さねばならないことには変わりない」



冗談めいたようにレクセスは酷薄な笑みを浮かべた



「『次元変動』を行ったことで幸いなことに、この世界の『世界平衡』の殆んどオレが乗っとることが出来た。『神魂器』の連中はセクゼオン、ゼノレンの二人がこの時代に来たことは愚か、別の時代と繋がったことすら知らないだろうな」



彼は第一の標的をチェスターやスタードではなく、そのセクゼオンとゼノレンの二人に絞っている



それはエンダルフィンも有無を言わさずとも理解できた



レクセスやエンダルフィン等『神精器』の目的は『神魂器』のリーダー、レシフォスの素性の解明および撃破



それは今に生きる『神魂器』メンバーのセイブ、ノア、シオン、ディクソン、そしてヴィクシス全員を敵に回すことは確実だろう。それに加え、セクゼオンとゼノレンがもし連中に合流すれば、目的達成に及ぶことなく全滅する可能性が増大する



何としても連中が合流する前にセクゼオン、ゼノレンの二人を撃破し、連中の合流を未然に防ぐ必要があるが、特にセクゼオンは36人いる『神魂器』の中でもトップクラスであり、『神精器』の主力アルシオンを倒した程の『神器』だ



下手をすれば戦術戦でセクゼオンはレクセスを出し抜かざるを得ない。それを危惧した彼はすでに同じ『神精器』のシークを彼等がこの時代に現界した場所へと偵察へと向かわせ、随時張りつかせている



「よし、シークが偵察から戻り次第、行動に移るぞ…」

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