表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された悪役令嬢ですが、仕事を奪った王宮が先に崩れました  作者: 水城ルナ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/84

第77話 広がる神託

 都市リュミアでは、神託の影響がさらに広がっていた。


 港。


 船の出入りは、これまで商会の交渉で決まっていた。


 だが今は違う。


---


「本日の優先は第三船団」


 役人が紙を掲げる。


「神託による順序だ」


---


 船長たちは顔を見合わせる。


 不満はある。


 だが、大きな抗議は起きない。


---


「神託なら仕方ない」


---


 その一言で収まる。


---


 税務局でも同じだった。


 商人たちが列を作る。


---


「今年の軽減対象は」


 役人が書類を読む。


---


「北区画の穀物商」


「南区画の織物業」


---


「神託です」


---


 理由はそれだけ。


---


 ある商人が小さく呟く。


「なぜ自分じゃない」


---


 だが声は大きくならない。


---


「神託だから」


---


 その言葉が、すべてを止める。


---


 都市の中央広場。


 人々が集まっている。


 星導教の修道士が台に立ち、神託を読み上げる。


---


「来月の交易は西路を優先」


「東路は制限」


---


 人々は頷く。


 議論は起きない。


---


 その様子を、少し離れた場所からアルノーが見ていた。


---


「……早い」


---


 決断が早い。


 迷いがない。


---


「都市でも」


 彼は言う。


---


「回ります」


---


 リリアーナは答えない。


 ただ広場を見る。


---


 確かに回っている。


 混乱はない。


 争いも少ない。


---


 だが。


---


 広場の端で、二人の商人が小さく言い合っていた。


---


「本当にこれでいいのか」


「神託だぞ」


---


「でも」


---


 声は小さい。


 すぐに消える。


---


 神託は、争いを減らす。


 だが同時に、


 **疑問を押し込める**。


---


 その時、広場に一人の男が現れた。


---


 黒い外套。


 高い背。


 鋭い視線。


---


 カルド・ヴァルグリス。


---


 彼は広場を見渡す。


 人の流れ。

 神託に従う都市。


---


「……良い」


 小さく呟く。


---


「これが」


---


「正しい形だ」


---


 その目には確信があった。


---


 村で始まったものが、


 都市に広がる。


---


 そしてその先にあるものを、


 彼だけは見ている。


---


 神託はもう、


 人の生活の補助ではない。


---


 世界を動かす仕組みへと、


 変わり始めていた。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ