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婚約破棄された悪役令嬢ですが、仕事を奪った王宮が先に崩れました  作者: 水城ルナ


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第26話 介さない体制

 第二王子カイエルの執務室には、必要な者だけが集まっていた。


 数は少ない。

 だが、役割は明確だ。


「今後の対外調整について、整理しました」


 リリアーナは、机の上に書類を並べる。


 王宮を通す案件。

 通さない案件。

 判断を保留すべき案件。


 三つに分けられたそれは、

 感情も立場も排除した分類だった。


「王宮を通さない、という判断が

 問題になる可能性は?」


 側近の一人が尋ねる。


「あります」


 リリアーナは、即答した。


「ただし、問題になるのは

 “権威”の話です。

 機能の話ではありません」


 空気が、少しだけ張りつめる。


 だが、誰も反論しなかった。


「……進めるべきだな」


 カイエルが、結論を出す。


「はい」


 短いやり取り。

 だが、それで十分だった。


 この場には、

 線を引く人間がいる。


 数日後。


 第二王子陣営を通した協定が、

 正式に発表された。


 王宮の名は、文面にない。


 それだけで、十分だった。


「……前例がない」


 王宮では、ざわめきが起きていた。


「違法ではありません」


「だが……王宮を通さないなど」


 文官たちの声は、

 次第に小さくなる。


 違法でなければ、止められない。


 そして今、

 止める理由も、止める力もない。


 アルベルトは、報告書を閉じた。


 そこには、第二王子の署名だけがある。


「……正式に、分かれたな」


 呟きは、誰にも届かない。


 王宮は、もう中心ではない。


 それは、権力の喪失ではない。

 役割の喪失だ。


 一方。


 リリアーナは、自室で一人、次の書類を整えていた。


 この体制を作ったのは、彼女ではない。

 だが、形にしたのは彼女だ。


 王宮を排除するためではない。

 回る場所で、回すため。


 それだけの理由。


「……これでいい」


 誰かに認められる必要はない。

 戻る必要もない。


 必要な場所に、

 必要な判断がある。


 それが、今ここにある。


 夜。


 第二王子の執務棟の灯りは、

 遅くまで消えなかった。


 王宮の灯りは、

 いつもより早く落ちている。


 並べて見れば、

 どちらが動いているかは明白だった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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