『蜂蜜のちから——足りないのはカロリーではなく、心と体の“微粒”』
忙しさに追われる日々の中で、「食べているのに元気が出ない」と感じる人が増えている。体のエネルギーだけを満たしても、心と体を支える微量栄養素が欠ければ調子は崩れてしまう。私はそのヒントを、やさしい甘さの蜂蜜に見つけた。自然がつくる小さな栄養の物語を、ここで共有したい。
『蜂蜜のちから——足りないのはカロリーではなく、心と体の“微粒”』
「ちゃんと食べているのに、なんだか元気が出ない」——そんな声をよく聞く。
医者に行っても異常なし。けれど体はだるく、気力もわかない。それは、いま問題になっている「新型栄養失調」かもしれない。食べすぎではなく、“必要な栄養が足りない”という現代特有の不調だ。
私たちの食卓には便利な加工食品やお菓子があふれている。見た目は立派でも、実はミネラルや微量栄養素が失われていることが多い。体はエネルギーで動くが、調子を整えるのはその「微粒子たち」——鉄、亜鉛、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルだ。これらが不足すると、心も体もゆっくりとバランスを崩していく。
そんな時代にこそ、私は蜂蜜に注目したい。
蜂蜜はただの甘味料ではない。ミツバチが花から集めた蜜には、ビタミン、アミノ酸、酵素、そして多くのミネラルがぎゅっと詰まっている。自然がつくる栄養ドリンクのような存在だ。
たとえば、マグネシウムはイライラを抑え、亜鉛は免疫力を支える。鉄は血の巡りを良くし、カリウムは体の余分な塩分を外に出してくれる。蜂蜜を少しずつ摂ることは、こうした“体の音色”を整える助けになる。
私は朝、ぬるめのお湯に小さじ一杯の蜂蜜を溶かして飲む。
優しい甘さが喉を通り、心までほっと緩む。疲れが溜まった夜にも、この一杯が不思議と体を温めてくれる。
人工的なサプリメントでは得られない、自然の生命力がそこにある気がする。
甘いのに、やさしい。小さなスプーン一杯の中に、地球の恵みとミツバチの努力がつまっている。
それはまるで、「足りないのはエネルギーではなく、自然とのつながりなんだよ」と教えてくれるようだ。
蜂蜜を通して見えてきたのは、体が求めていたのは単なるカロリーではなく、“自然との細い糸”だったということだ。ミツバチが紡いだ栄養は、心の奥にある疲れにもそっと触れてくれる。忙しい現代だからこそ、小さな一匙の温かさが、私たちを本来のリズムへ導いてくれるのだと思う。




