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あたしはマキャベリスト?

作者: 歌川 詩季

 意味は知りませんでした。

 メインのお肉やお魚のフライより

 つけあわせのキャベツのせんぎりで

 お米を食べることを「キャベる」って動詞にして

 そんなひとをキャべリストと呼ぶなら

 あたしはマキャベリストかもしれない


 お米のすすみぐあいとペース配分を気にせずに

 お肉やお魚のフライを食べたい派閥のあたしだけど

 もしもお米よりフライをさきに

 食べ尽くしちゃっても心配いらない


 ソースにケチャップ お醤油にマヨネーズ

 ドレッシングもいいよね

 好きなものをかけてやれば キャベツのせんぎりは

 お肉やお魚のフライに負けない

 お米のおともになるのだから

 そのつど かけてやるものをかえれば

 あきることもなく いくらでもお米はすすむのだ


 と ここまでなら ふつうのキャベリストの

 キャベリングにすぎないんだけど

 舞台はあたしがいきつけの定食屋さん

 ここは定食をたのむと

 お米とキャベツのせんぎりのおかわりが自由で

 あたしは追加のおかずを注文もせずに

 えんえんと そのふたつをおかわりしつづける


 その悪魔のごときキャベリングといったら

 手練(てだ)れのキャベリストたちも舌を巻く

 まさに魔キャベリストと称されるに相応(ふさわ)しい暴挙

 定食屋さんのおばちゃんも

 あきれ顔はするけれど もうとっくになれっこで

 えんりょせずに たんとお食べと笑ってくれる

 なにせ あたしがこの定食屋さんにくるときは

 お米をひたすら食べるぞってゆう

 コンセプトと決意をもってのぞんでいるのだ


 お米をおかわりするたびに いちいち

 追加のおかずを注文するわけにはいかないぢゃん

 だけど お米をひたすら食べるってゆう目的のためには

 手段を選んでられない そして

 ソースにケチャップ お醤油にマヨネーズ

 ドレッシングなんかをかけたキャベツのせんぎりは

 ハイペースでお米がすすむ

 すごろくでゆえばサイコロの6の目なのだ


 とはゆえ 魔キャベリストだって

 血も涙もないってわけぢゃない

 たいていは有料の豚汁(とんじる)変更をして

 お味噌汁をグレードアップするし

 お給料日にはぜいたく品の

 ダブルハンバーガー定食や

 特盛海鮮丼を注文して ちゃんと

 売り上げに貢献している

 正直ゆえば 給料日まえでも

 なすのおひたしとかの小鉢は

 ついつい手にとっちゃうんだよね


 どう? 魔キャベリストは

 ケチな倹約がぢゃなくて

 キャベツ好きな合理主義者だってことを

 ちゃんと理解してもらえたかな?


 こうして あたしはじぶんに

 もういちど問いかけてみることになる



 あたしは魔キャベリスト?


 あたしは魔キャベリスト!!

 お刺身のツマも、お刺身だまりで大根のせんぎりって、すごくお米がすすむのです。

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― 新着の感想 ―
このキャベツ主義者め!w
真キャベリストとも言えそうです。
キャベツ、今は値段が落ち着いてきてありがたい限りです。 主人公のマキャベリストぶりを見ていると、お腹がすいてきますね(笑)
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