プロローグ (5つの世界)
・異世界の存在について
世界は、次元のねじれ空間に幾つか存在している。
互いの世界を目視することはできないが、お互いの世界が接近しているところに「扉」を作成することができる。近接状況によっては、トンネルを掘ることで扉が作成される。
また、「時空の裂け目」から他の世界に行くことはできるが、一方通行。その裂け目から元の世界に戻ることはできない。
5つの世界とは別に、霊界があり、そこには「父」の古の友人がいるらしい。
・金の世界(天上界)
「父」によって最初に作られた世界。
・緑の世界(魔法界)
赤の世界の「対となる世界」。
人間界で、いわゆる魔法使いや妖精と言われる者達が住んでいる。
だが赤の世界と違い、多くの人は特殊能力を失ってしまい、有していてもその能力はそこまで強くはない。
赤、青の世界に比べ、土地の面積が海より若干広いため、緑の世界と呼ばれている。
その中で、グリーンフレードム国は、緑の世界で最小の大陸面積を有する。
この国は聖樹エルニドの結界に守られており、不思議な能力を持った者の比率が、緑の他の国に比べて高い。
言い伝えによると、黒、赤、青には存在しない、金の世界への唯一の扉が、この国内のどこかにあると言われている。
故に、グリーンフレードムは「聖なる大地」「天にいと近き場所」という別名がついている。
グリーンフレードムとニーベルは国交がある。
・青の世界(人間界)
他の4つの世界の「緩衝帯」で、世界間に大きな歪みが出たら、ここに影響が出ると言われている。
赤の世界から青の世界に向けて時空の裂け目が幾つか存在しているようで、稀に、魔の物が入り込んできているらしい。この裂け目からは赤の世界へは戻れない。かつて、あるニーベルの姫はこの裂け目から人間界に追放された。
・赤の世界(魔界)
人間界で、いわゆる妖怪、怪物、亡霊、魔法使い、その他異形の者と見なされている者達が住む世界。人間と違い、大抵は特殊能力がある。
名前の由来は、上空から見た時に、水の色が赤く見えるため。土に含まれる成分比が、青の世界と違うと言われおり、水質も多少違う。
赤の世界の最大勢力はニーベル国で、この世界の1/4を支配下に置いている。この国では異世界の存在を知っているものはごく少数。王家の許可なしに扉を通行できない。
ニーベルの王宮付近に、青の世界に行く扉が存在しており、扉の先は、かつての笹薙家の地下室であったが、現在移築中。
また王宮の地下に、緑の世界に行く扉が存在しており、扉の先は、グリーンフレードム国の王都アルバスの城の敷地内の祠。
・黒の世界(暗黒界)
金の世界ができたことによって、結果的に2番目に出来てしまった世界。