オッサン! おいオッサン!
夏休みももうすぐ終わりだからか、道路に車が溢れています。
普段運転をされない方などもばんばん出て来られるので、普段からカオスな公道が特別カオスになっております。
さて、オッサン。
物事をカテゴリー分けしてなにかを決めつけるのが私は好きではありません。
あの車種に乗ってる運転手は運転が下手だとか、
女と老人は運転が下手だとか……。
プリウスに乗ってても運転が上手な方はいらっしゃいますし、女性で運転が上手な方もたくさんいらっしゃいます。
ただ、不思議なことに──
ヘタクソで迷惑な運転してる車がいるなあと思って見たら「またあの車種か!」みたいなことはよくあります。
同じくヘタクソで迷惑な運転してるなあと思って運転席を見たら「また◯◯かよ!」みたいなこともよくあります。
老人、女性(特に主婦っぽい方)、あと初心者さん。
このへんは仕方がないです。経験の不足だったり視力の衰えとか色々ありますので。
ただ、それらと同等ぐらいによく見かけるのが──
オッサンです。
40歳代後半〜60歳台前半といった感じのオッサン。
不思議なことにみんな毛むくじゃらの腕を窓枠に乗せて片手運転してらっしゃいます。
大きく2つのタイプに分けられるように思います。
ノロノロ自慢型オッサンと、
速さ自慢型オッサン。
しかもこの2つのタイプのオッサンがいるわけではなく、時と場合によって、同じ人間の中からどちらかのタイプのオッサンが現れます。
「オレはとにかくゆっくり走る」
「オレよりゆっくり走ってるクルマはそういないぜ」
「この前、東名走ってたら左右からビュンビュン抜かれてさあ(笑)」
みたいなことを言いながら、
「昔は酒飲みながら高速道路を130km/hで飛ばしたもんさ」
「俺について来れるヤツは誰もいなかったぜ」
「今でも趣味のクルマに乗ったら狭い道を80km/hぐらいでスピード落とさず走り続ける」
なんてことも言い出します。
スポーツも科学で考える時代にオカルト的思考をめいっぱいに持ち込むのも特徴のひとつです。
科学的に考えればまったく正しくないことを、自信たっぷりに正しいと考えてらっしゃるようです。
「トンネル中でもオレは見えるからライトはつけない」
「真っ暗な夜でもオレは夜目が利くからハイビームは使わない」
「対向車がハイビームをすぐに落とさないのはけしからん!」
オッサンもハイビームにしていれば対向車さんもいち早く気づいてすれ違うより前にロービームに落とすと思うんですが、相手に超能力を求めてばかりなんですよね。
あとウィンカーの出し方すらご存知ないようです。
車線変更する時に一回だけチカッと出して、死角にいたバイクを巻き込んだり
ウィンカーは曲がる時に出すものだと勝手な解釈をしていていきなりハンドルとウィンカーとブレーキ同時操作で左折してバイクを巻き込んだり……
ウィンカーは『曲がります』という意思表示であり、曲がる時にただ出すものではないですよ。
オッサンがヘタクソの中でも特に厄介なのは、自信たっぷりなところです。
長年の運転経験があるので、自分の運転は絶対的に正義だと思われているふしがあります。
正しくない運転をしているドライバーを見たら制裁行為をしたがります。
それで事故を起こされたらみんなの迷惑だなんてことは、どうでもいいようです。
とにかく強引で、自己中で、負けず嫌いです。
間違った運転を自信満々にされてらっしゃいます。
おまけに差別主義者のようです。
追い越して行くのが大型トラックや軽自動車だと見た途端、追い越されまいというようにスピードを急激に上げます。
ドライバーが女だと見るや絶対に前を譲りません。
しかも何でも他人のせいにします。
3車線のど真ん中を延々走行してらっしゃる時に、左車線から追い抜かれそうになると激怒されます。
自分が左車線を走っていないからだなどとは露ほどにも考えることが出来ないようです。
そうです。オッサンの最大の特徴、それは──
ど真ん中車線や右側車線を延々と走る!
ど真ん中や右側を延々と走る代表選手といえば、女性とご老人ですが、これは左車線を走るのが怖いからだと思われます。
しかし、運転に慣れてらっしゃるようなオッサンも、女性やご老人と同じ走り方をされます。
理由はおそらく──
『面倒くさいから』
手抜き運転するのはリラックスの元でもあるので適度なら構いませんが、それで周囲に迷惑をかけるのならやめてください。
また、オッサンの一大特徴として──
車間距離をとにかく詰める!
車間距離を空けたら負けだとでも思ってるのか、とにかくギッチギチに詰めっぱなしにして走ります。それでいて、また別の一大特徴が──
車間距離をとにかく開ける!
どっちかにしてください。
車間距離を開けるのはいいことじゃないかと言われそうですが、何事も『過ぎたるは及ばざるが如し』で、適度な車線というものはあります。それは状況によって変わりますが、
オッサンはとにかく自分一人のためにパカーッと空けすぎるのです。
CDを入れ替えるため、よそ見をするため、その他さまざまな自分一人の都合のために前をパカーッと空けます。
何もないところでいきなりフウーッと速度が落ちたりするので、後ろが詰まります。その後ろが詰まったのを──
『車間を空けろ! ヘタクソが!』と、詰ります。
あのね、オッサン。意味不明な減速をあなたがしたりするから、後ろが詰まるの。
それを他人のせいにするとかいい加減にしてサッサと速度を元に戻そう。
中には後ろが煽ってると勘違いして急ブレーキを踏んで玉突き追突事故を誘うオッサンもよくいてます。
もちろん中年男性がすべてオッサンであるとは思いません。
中には礼儀正しい『紳士』や、優しい『おじさん』もおられます。
でもオッサンと呼べる方はとても多くを占めているように思っています。
とにかく自信たっぷりなヘタクソ、それがオッサン。
周囲から迷惑の目を向けられて、周囲のほうがバカだという態度をとる、それがオッサン。
教えておじいさん、どうしてオッサンはあんなに自信たっぷりにヘタクソなの!?
何も考えず、慣れで運転してしまっているからじゃよ。フォッ、フォッ、フォッ。
とりあえずその運転で自分は完成していると思っているのなら、見直してほしいです。
オッサン、あなたにはまだ9割ぐらいののびしろがある、っていうかそれはのびしろではなくて、矯正すべき点です。
ヘタクソだなあ、迷惑だなあ、と思いながら、追い越したりする時に運転席を見ると毛むくじゃらの太い腕が窓枠に乗ってる。
そんな光景をこれ以上見せないでください!