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録音 【聞こえてくる終わりの声】  作者: タイラ・ヒラ・タイラ
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日常

少しずつ更新していきますのでよろしくお願いします。

 七月。夏休み直前の金曜日。時刻は16時過ぎ。

 ここはファミレスの店内。4人の男女が雑談をしていた。

「じゃあ、やっぱりみんなバラバラになっちゃうんだね」

 少女――小舟咲希(こふなさき)は寂しそうにつぶやいた。

 彼女の言葉に、港ワタル(みなとわたる)はこくりとうなずくとしみじみと咲希の言葉に対して補足するように言う。。

「俺は地元の大学。ススムは地元の企業で翔と小船が二人では都内の大学へ進む予定……と」

 ワタルは冷えたフライドポテトを一つ口に運ぶ。

 津守ススム(つもりすすむ)もフライドポテトを咀嚼して飲み込んでから、誰にとなく口を開いた。

「幼稚園からの腐れ縁もいよいよ終わるんだな……

 幼稚園からだと何年になるんだ?」

 気になり問うススムの言葉に、自分も気になったのだろう咲希が指折り数えはじめる。

「幼稚園が3年。小学校が6年で。中学が3年。最後に高校で3年だから……」

「15年な……サキ」

 咲希の頭にポンと手を置き、霧雨翔(きりさめかける)がススムの疑問に答えた。

「15年……かぁ」

 翔の言葉にススムはソファーに体重をかけて、天井見上げる。

「中高と俺等。不思議とクラス別れなかったよな」

「それな」

 翔は頷くと、ドリンクバー(コーラ)のグラスを一気にあおると、楽しそうに笑う。

「マジで中高と毎年クラス替えが有るのに何故かずっと変わらず。

 流石に今年のクラス発表の時は、もはや呪いかよって笑ったぜ……どんな確率だよ」

 ちなみに、幼稚園と小学校を話題から除外していたのは一クラスしか無かったのでクラス替え自体が無かったからだ。

 不意に翔は真面目な顔になると何かをかみしめるかのような表情をつくり。

「こうして気軽に集まってバカ騒ぎ出きるのも今年で最後なのかな……」

『…………』

 幼い頃から続いていた日常が終わりをむかえる……その時をいやが応にも意識させるそんな瞬間であった。


「この4人がこうして気軽に集まれなくなるなんて……イメージわかないわね」

 長い沈黙を咲希が打ち破ると。彼女は戸惑いの表情を浮かべ、頭に思い浮かんだことを口にする。

「思い出作りにこの4人で何かしない?」

「思い出作り……か。いいなそれ。

 ちょうどもうすぐ夏休みだし……旅行とかキャンプ?」

 ワタルが賛成する。

「旅行やキャンプってありきたり過ぎないか?

 もっと印象に残ることしないか?」

「とか言っといて、旅行は翔と小舟の2人で行きたいから……だろ?」

 ススムがニヤニヤと笑いながら二人をからかう。

『っ!』

 すると二人は顔を赤く染め。翔が少し早口でススムに返した。

「そうだよ。もう予定だって組んでるよ」

『はぜろっ!』

 翔の告白にワタルとススムの声がピタリと重なったのだった。



「ま、まあ。

 冗談はこのくらいにして。話戻すけど思い出作りは……マジでしたいよな」

 一通り翔と咲希をからかった後、仕切り直しをするためにワタルは声をあげた。

 そして、咲希に目を向けた瞬間、ワタルはからかい過ぎたと少し反省した。

「う~~」

 咲希は翔の左腕にしがみつき、顔を赤く染めて、翔の陰に隠れるように小さくなっていた。

 確かに反省はしたが、目の前で小動物みたいに涙目でプルプル震えるその姿はめっちゃ可愛かった。

「ワタルとススムはマジで反省しろよ」

 翔が咲希から2人に視線を移し、ジト目を向けて言った。

「ごめん」

「悪い。調子にのり過ぎた」

 素直に謝る2人。

 そんな彼等の様子を確認すると翔は優しく咲希の背中を擦った。



 それから10分後。

 落ち着きを取り戻した咲希を加えて、思い出作りに何をするかの相談を再開した。

「で。何するよマジでさ」

『…………』

 ワタルの言葉に、沈黙する。

 何も妙案が浮かばない。

「困った時は……」

 不意にススムはポケットからスマホを取り出して検索をはじめた。

「ググってみれば何か出てくるっしょ……ほら、問題解決」

 言って検索画面を3人に見せたのだった。


ラジオ【プロローグ】いかがだったでしょうか?



まだプロローグで日常を描いたところで、現状はホラー感がゼロですが、少しでも気になりましたら。いいね等の足跡を残していただければと思います。




追伸


ブックマーク/感想/誤字脱字のご報告/いいね等の何らかの足跡残して頂けるとうれしいです。




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