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悪魔となって  作者: 羊木 なさ
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戦闘経験

「今日は自分より強い相手と戦う特訓をするよ」


学校につくなり鈴はそう言った。


「雨里さんは圧倒的に逢君よりも強いからね。少しでもそういう相手に慣れておかないと」

「確かに」

「俺も一緒にいくぜ」


多玖も一緒に来てくれるらしい。


「じゃあ放課後また善悪池公園ね」


僕と多玖は了承した



放課後


「じゃあまずこの子と戦ってみよっか」


鈴は魔法陣から木のような見た目をした人形を出した。


「これは?」

「俺が昨日頑張って作った人型の魔獣、『スピア』だ。ほらこれに槍を持たせれば擬似雨里さんの出来上がりだ」

「······動くのか?」

「もうヌルヌル動くよ」

「そりゃあ凄いな」

「そうだね」


これはとてもいい特訓になりそうだ。


「じゃあ早速動かして行こっか」


するとダラっとした状態だった『スピア』は急に槍を構え始め、こちらに槍を突き刺してきた。

間一髪避けることが出来たが結構危なかった。


「逢君、はやく『悪魔化』しないと死んじゃうよ」


鈴に言われてすぐに『悪魔化』する。

いつも通り視界が紅く染まり、身体が軽くなる。

先程とは違い『スピア』の動きがよく見えるようになる。

今度は左から薙ぎ払い。

しっかりと槍が届かないところまで後退する。

右側から『スピア』に回り込む。

槍はあまり近接戦闘が得意ではなかったはず。

両方のナイフで槍を切り付け、鍔迫り合いの状態にする。

そこから急にしゃがみ右足のアキレス腱あたりを切りつける。

欲張らずにそこからすぐに後退して距離をとる。

すると『スピア』は急に右足を切り落とした。

そのまま『スピア』は片足立ちのまま右足を魔法陣の中に投げ、自身の真下にも魔法陣を浮かび上がらせると新しく出した右足をくっつけ始めた。


「なっ!?」


チラと後ろのベンチを見ると多玖は口をあんぐりと開けて絶句している様子だった。


「僕の作った『スピア』は、結構自由に形を変えられてね。損傷しても魔法陣に投げ込めば大体回復する仕組みになってるんだ。」

「じゃあどうやって倒すんだよ」

「心臓あたりに核があるからそれを潰せば停止するよ。」

「そうなのか」


二人の会話から察するに心臓を狙えばいいと言うことらしい。

損傷を回復し終えたのか『スピア』はまた槍を構え始めた。

『スピア』は一直線にこちらに槍を向けて突進してくる。

ここは右に躱し、すれ違いざまに少し切りつける。

どうやら軽度の損傷では回復しないらしい。

今度は真っ直ぐ行って正面で急に右へ方向転換してみた。

すると『スピア』は薙ぎ払いが空振り、胴体がガラ空きになる。

ナイフを『スピア』の心臓に突き立てると急に先程と同じようなダラっとした状態に戻った。


「おめでとう。逢君。初見で『スピア』を倒せるなんて結構いいんじゃない?ねえ多玖?」

「ああ。ちゃんと動けてたしいい感じだぞ」

「二人ともありがと」

「じゃあ次は『スピア』の進化系である『スピア2』とも戦ってみよっか」


まだいるのか。そりゃそうだ。鈴がこの程度で終わるはずがない。多分もっと沢山いるはずだ。


「じゃあ頑張ってね」



30分後


思った通りたくさん、細かく言うと合計16体ほどいたが最終的に『スピア7』に負けてしまった。


「ほら多玖、アドバイスしてきて。俺は核を設置し直すので忙しいから」

「ああ。わかった」


多玖がこっちに来るようだ。


「逢ー。おつかれー。」

「ありがと」

「逢はさ、他に得物使わないの?ナイフだとやっぱりリーチ的な問題もあるし」

「んー、あんまり他の武器使ったことないんだよな」

「じゃあさ、この機会に他の得物も使ってみようぜ」

「いいね、休憩がてら他の武器も触ってみよっかな」

「よし、そうと決まれば早速鈴に伝えてくるぞ」

「おう」

「鈴ー!ちょっとこっち来てくれるー?」

「いいよー」

「それでさ逢に別の得物を持たせてみたいんだけど、何がいいと思う?」

「まずは脇差とかどう?『ウーちゃん』達が持ってるからすぐに出せるよ」

「そうだね。それにしてみるよ」


鈴が地面に手を翳すと魔法陣が浮かび上がり、『ウーちゃん』達が出てきた。


「『ウーちゃん』と『ルーちゃん』、ちょっと逢君に脇差を貸してあげてくれる?」

「「バウ!」」

「ありがと。ほら逢君も」

「あ、ありがと」

「じゃあまたね」


鈴がもう一度手を翳すと魔法陣は消え、『ウーちゃん』達も帰って行った。


「はい。脇差」

「ありがと」

「使い方は多玖に教えて貰ってね」

「わかった。じゃあ多玖お願いね」

「あいよ」


鈴の作業の邪魔にならないようにベンチから離れた場所に移動する


「つっても特に教えることはないんだけどな」

「そうなの?」

「ああ。逢はナイフとか刃物の使い方には慣れてるしな。強いて言えば軽々と振り回せるようにならないとだめだぞ」


筋力か。

それなら多分問題はない。

普段から少しだけ鍛えているので少しくらい重くても大丈夫だ。


「まあまずは持ってみ?」


多玖に2本の脇差を渡される。

ナイフとは違い重圧感がある。

それと当たり前だがナイフよりは重い。

とにかく振ってみる。


「いいじゃん。様になってるぞ。1回試し斬りしてみるか?」


多玖はにへらとした表情で挑発してくる。


「うん。そうするよ」


笑顔を返されたら笑顔で返さなければ。

早速右眼と左脚を『悪魔化』し、脇差を構える。

それに気付いたのか多玖も両手両足を『悪魔化』して、太刀を取り出した。


「じゃあ、鈴に合図にしてもらおう。鈴ー!」

「おっけー」


聞こえてたのか。


「よーい······ドン!」


合図とともに駆け出す。

多玖は動かずにずっしりと太刀を中段で構えている。

まずは試しに両方の脇差を同時に多玖に切り付ける。

もちろん多玖には防がれてしまったが威力が高いのは確認できた。

反撃は喰らいたくないのですぐにバックステップで距離をとる。


「良い威力じゃん。これなら雨里さんにも対抗できるんじゃないか?」

「そうかもね」


今度は多玖がジリジリと距離を詰めてきた。

多玖がいつ動いてもいいようにじっと見張る。

多玖は急接近してから右から薙ぎ払った。

それを少し後ろにズレることで回避し、右の脇差を上から振り下ろした。

多玖はすぐさま太刀を持ってきて受け止め、後ろへ飛び退いた。

次は右側から回り込み、また両方の脇差で切り付ける。防がれてしまったが左の脇差を抜き、多玖を反対側から切り付ける。

多玖は急に太刀を消すと伏せてからサマーソルトキックを繰り出してきた。

流石にこれは避けられずにモロに喰らってしまう。

数メートル先まで吹っ飛ばされて『悪魔化』が解けてしまう。


「いたた」

「危なかったな。もう少しでやられるところだった。」


多玖は笑いながら言った。


「今度こそは仕留めたと思ったのに」

「次はあれだな。暗器の使い方だな」

「あれでしょ?なんか良いタイミングで投げるんでしょ?」

「まあ間違ってないな。ナイフの持ち手の先っぽに鈴に糸をつけてもらえ。そうすれば再利用可能になるぞ。」

「鈴ー!」

「糸は家にあるから後ででもいい?」


『スピア』達の修理も終えて暇を持て余した鈴は即座に答えてくれた。


「いいよ。あれ、もうこんな時間か。」


スマホを見てみると大体6時半だった。


「じゃあそろそろ家に帰ろっか」

「そうだね。その前に糸付けるからナイフ貸してね」

「いいよ」


鈴にナイフを手渡す。


「あとその脇差は逢君にあげるよ」

「いいの!?」

「いいよ。そろそろ新しく何か持たせようと考えていたところだからね」

「ありがと。大事に使うよ」

「じゃあ8時前にもう一度ここに集合だな」

「じゃあまた後で」

「またねー」

「またな」


多玖と鈴は途中まで一緒に帰るらしい。

僕もそろそろ帰らなくては。

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