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悪魔となって  作者: 羊木 なさ
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遊園地③

たこ焼きを食べ終えてからは『メリーゴーランド』に乗ったり、『フライングブランコ』に乗ったり、『迷える館』に行ったりと遊びに遊んだ。


「じゃあ次はどこ行く?」

「もうそろそろ夕方だし、次で最後にしよっか」

「そうしましょうか。なら最後は『観覧車』に乗りましょう?」

「そうだね」


留恵と一緒にチケットを買い、列に並ぶ。

ここの『ハルファス観覧車』はそこそこ大きいので一応名物になっていたりする。

自分達の番が回ってきた。

案内されて1番手前のに乗る。


「思ったよりもゆっくり進むのね」

「気付けば終わってるけどね」

「そうなのね。······ここからの景色は良いわね」

「上の方はもっとすごいよ」

「楽しみね」


うふふ、と留恵は笑った。

それからしばらくの間、他愛もない話を続ける。


「お、そろそろ頂上じゃない?」

「ほんと!?」


外を見てみると地上は大分遠くなっている。


「······綺麗な景色ね」

「そうだね」

「ねぇ、逢」

「なに?」

「こっち向いてくれる?」


留恵に背を向けて景色を見ているとそう言われた。


「いいよ」


振り返るとその瞬間、頬を両手でおさえられて僕と留恵の唇が重なった。

それからしばらくの間この状態が続き、やっと解放された。


「さあ降りましょう?」

「う、うん」


遊園地から天地駅までの間は何があったかほとんど覚えていない。

何か会話をしたような気もするし、してないような気もする。

電車に乗ってからはほとんど無言だったのはしっかりと覚えている。



「今日は楽しかったよ。また今度、一緒にどっか行こーね」


留恵は帰り道でそう言った。


「うん」

「じゃあ私、こっちだから。じゃあね」

「ちょっと待って」

「なに?」


留恵が振り返った瞬間に頬にキスをする。


「なっ!?······あ、あ」


留恵の顔がカァッと赤くなっていくのがわかる。


「じゃあね」

「じゃ······じゃあね」


早足で逆の道へ進む。

曲がり角を曲がった瞬間に直ぐに走った。

何故あんなことをしたのか。

後々冷静になって考えれば考えるほど恥ずかしくなってくる。


「ただいまー」


返事が帰ってこない。

葉月は外出しているのだろうか。

朝から「今日はゴロゴロしてやる」という強い意志を感じたのだが気の所為だったのだろうか。

まあ、葉月がいない方がゆっくり頭を冷やせる。

風呂場によって風呂を沸かしてから自室へ戻り、部屋着に着替える。

スマホを数分いじっていると玄関のドアが開く音がした。


「ただいま〜」

「おかえりー」


葉月が帰ってきたので部屋から出て、リビングへと向かう。


「どこ行ってたんだ?」

「あー、友達と遊びに行ってた」

「そうか。風呂はもうそろそろで沸くだろうから先入っておいで」

「わかった。ところで兄ちゃん」

「なんだ?」

「デートは楽しかった?」

「······ああ、とても楽しかったよ」


とても疲れたけどね。


「じゃあ部屋に戻るから風呂から出たら教えて」

「わかった」


そう言ってから、自室へ戻る。

自室へ戻ってベッドの上に置いてあるスマホを見る。

そこには今さっき留恵から届いたであろうLNIEが表示されていた。

今まで留恵とLNIEは交換していなかったが、帰りの電車の中で留恵から交換するのを提案してきた。

これでいつでも留恵と連絡できる。

そう考えると少しにやけてしまう。

留恵からのLNIEに当たり障りのない返信をする。

何回か返信したところで留恵から「お風呂に入ってくるね」と連絡が来た。

「また月曜ね」と返信してからLNIEを閉じる。


「はぁ······」


ドッと疲れが押し寄せてくる。

ベッドの上ということも相まって段々と瞼が重くなってきた。

そのまま眠気に抗いきれずに意識を手放した。

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