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悪魔となって  作者: 羊木 なさ
15/46

服選び

公園へ歩みを進める。

公園に着くと珍しく留恵が先に来ていた。

まだ45分にもなっていない。


「あ、逢。やっと来た。ちょっと話があるんだけどいい?」

「いいよ。それでどうしたの?」

「その······、明日土曜日だけど空いてる?」

「空いてるよ」

「そう、なら良かった。一緒に遊園地に行かない?」

「はぁ!?」

「い······いやだった?」

「その······、嬉しくて」

「良かった」


ホッとした様子で留恵は言った。


「ところで他に誰か来るの?」

「二人だけよ」

「······」


脳が思考を放棄し始めた。

二人だけ?

本当に?


「本当よ。それで結局行くの?」

「······行く」

「ありがとう。じゃあ明日の8時半に善悪駅ね」

「わかった」

「それじゃあね」

「それじゃあ」


もう帰るのか。

まあ明日の準備で忙しいだろうしね。

······明日?

早くね?

やばい。

今すぐ二人に連絡を取らなければ。

すぐに携帯を取り出してまずは鈴に電話をかける。

コール音が数回鳴ると鈴が出てきた。


『逢君?なんかあった?······は!?もしかして雨里さんに勝ったの?じゃあお祝いしなくちゃね』

「ちがうちがう。まだ勝ってないよ。明日留恵と遊園地に行くことになったんだけど服を選ぶのを手伝って欲しくてさ」

『わかった。今から行く。多玖には知らせた?』

「これから知らせるところ」

『じゃあ5分後に『イオフィ』で』

「わかった。それじゃあ」


プツッと電話が途切れる。

『イオフィ』とは『イオフィファッションセンター』の略で、有名なチェーン店だ。

次は多玖だ。

多玖はすぐに電話に出た。


「もしもし?細かいことは後で話すからとにかく『イオフィ』で」

『お、おう』

「5分後ね」

『はええな。おい』

「先行ってるぞ」

『すぐ行く』


これで二人にかけ終わった。

あとは走って向かうしかない。

間に合わなさそうなので『悪魔化』した。

そのまま『悪魔化』した状態で全力疾走して『イオフィ』に着く。

鈴も『ウーちゃん』と『ルーちゃん』と『フーちゃん』

を引き連れて······どちらかと言うと乗っかって来た。


「逢君、お金はどのくらい持ってる?」


ポケットから財布を取り出し、中身を確認する。


「1万ちょっと」

「なら大丈夫か」


この前出掛けたときと同じ中身で来てしまったようだ。

あとはここから1番遠い多玖を待つだけだ。

ふとスマホをみると7時51分。

すると突然頭上から何か降ってきた。


「悪ぃ、遅れた」


いやはやくね?

俺はあと十数待つつもりだったんだけど


「多玖、早かったね」

「ああ、久々に『完全化』したからな」


こんなことに『完全化』を使うとは贅沢な奴だ。

それと僕のために『完全化』をしてくれて有難いとも思う。


「さ、早く入ろう?」

「おう」

「ああ」


早速『イオフィ』に入る。


「で?何があったんだよ」

「逢君が明日デートをする事になったの。だから服を選びに来たってわけ」

「はぁ······。まだ付き合ってないんだろ?」

「いやそうだけど······」

「このチャンスを逃したらもったいない。この機会に1歩前進しとかなきゃ」

「それより服はどうすんだ?」

「そうだね。それを早く決めなきゃ。じゃあいい感じに各自選んできて」



そうだ。

とにかくいい感じの服を探さなければ。

こういうのは鈴は得意そうだし、多玖もセンスはあるはずだから大丈夫だろう。

普段留恵と会う時は動きやすさ重視の服を着ているから、今回は動きやすさは考えずにしっかりと見た目で決めよう。

商品を見ていてふと目に止まったのは白いTシャツ。

これにしよう。

あとはズボンだが近くにあった黒色のズボンにしよう。

俗に言うモノトーンコーデというやつだ。

よし。

これに決めた。

あとは多玖と鈴だが二人はまだ決め終わっていないようだ。

そこら辺をブラブラするか。

ボーッと歩いていると黒い薄めの羽織れそうなパーカーを見つけた。

これも買おう。

そして多玖と鈴をさがそう。

そろそろ終わっているだろう。

一つ一つ、服の列を覗いていくと多玖を発見した。


「多玖、終わった?」

「ああ、終わったぜ」

「じゃあ鈴をさがすか」

「そうだな」


二人でまた一つ一つ、服の列を覗いていく。


「多玖はどんなの買ったんだ?」

「んー、それは後で教えるぜ」

「楽しみにしとくよ」


そんな会話をしていると鈴を発見した。


「おーい、鈴ー」

「二人はもう選び終わったのかい?」

「ああ」

「うん」

「そうか。俺もちょうど終わったところだよ」

「じゃあ一斉に出そうぜ。せーの!」


僕はさっき選んだ3点を出し、多玖はベージュのシャツとジーパンを出し、鈴は······白のジャンパースカートと灰色の袖がブカブカとした服を出した。


「鈴······」

「なに?」

「それ女物じゃん!」

「大丈夫大丈夫。多分似合うよ」

「そういう問題じゃなーい!」


ほら見ろよ。

多玖はしっかりとした服を選んでるぞ。


「っていうのは嘘で、本命はこっち」


そう言って鈴が出したのは黒いTシャツにドクロが描かれていてその上に『GAIKOTU』と書かれた服だった。


「「ダッッッッサ」」

「え?」

「めっちゃダサい」

「とてつもなくダサい」

「······それはさておき本命は?」

「······これ」

「「ダッッッッサ」」

「酷くない?」


流石にそれはない。

少なくとも絶対僕が着る服ではない。


「じゃあ多玖の選んだ服にしよっかな」

「やったぜ」


多玖から服を受け取り、それを会計する。


「合計8998円です」


やっぱり服は高いな。


「1万円で」

「1002円のお返しになります。またのお越しをお待ちしております」

「1点で3999円になります」

「4000円で」

「1円のお返しになります。またのお越しをお待ちしております」


隣を見ると鈴があのTシャツを買っていた。


「マジで買ったのか?」

「······『スピア』に着せる」

「······」


今日わかったことは鈴にはファッションセンスが無いということだ。


「今日はもう解散にしよっか」

「そうだな。逢は明日の準備をしないとだからな」

「ああ」

「それじゃあ」

「じゃあね」

「じゃあな」


二人は別々の方向に行き、自分もそのまま家へと帰った。

はやく準備をしなければ。

タイトル変えました。

やっぱり今までのは少しダサかったですね。

過去の自分は『なろう』っぽさを入れたかったと言っていました。

遊園地では『逢視点』と『葉月視点』で書いていこうと思います。

『留恵視点』の代わりとして () で留恵の心の叫びを書きます。

これからもぜひよろしくお願いします。

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