訪問者
「誰かいないのか」
低音な声でそう叫びながら入ってきたのは薫だった。
「薫!?ここだ!助けてくれ!」
雄大の声に反応した薫が雄大の部屋に近づいた。
「なんだよこれ・・・気味悪いな・・・」
雄大の部屋を見た薫がそう呟いた。
「あっちの方に大地がいる!この部屋からだと大地の様子がわからない」
「大地もいるのか?わかった。見てくる」
そう言い大地のいる部屋へ向かった。
「大地大丈夫か?」
大地のいる部屋の前で立ち止まった薫は大地を見つけて問いかけた。
「薫か・・・ちょっと頭が痛くてな・・ここはどこなんだ?」
「僕も扉の向こうにある部屋で目覚めたんだ。だけど鍵がかかってなかったから出て、誰かいないか見回ってたら君ら2人を見つけたんだ」
「出口はないのか?雄大とも話をしてたんだが、昨日の記憶がないんだ・・・薫はなんか覚えてないか?」
そう問いかけると薫は数秒黙り込み、
「昨日、先に君ら3人が入った後なかなか出てこなくて、心配だったから女性2人は帰らせて僕1人で君ら探してたんだが、廃墟の室内で光樹の叫び声が聞こえて・・・向かった矢先誰かに殴られて気を失ったみたいなんだ」
薫も何かに巻き込まれた様子だった。
「近くに出口とかなかったのか?」
「あぁ、僕がいた部屋は何もない部屋しかなかった。君ら2人が居たしちょっと戻って何か手がかりになりそうあものを探してみるよ」
薫はそう言いながら来た扉を通り戻っていった。
それから何時間か経ったが薫は戻ってこない。出口でも見つけて助けを呼びにでも行ったのだろうか。
色々と頭の中で整理をしたが、何も解決に繋がる手がかりがない。
「そういえば光樹はどこに・・・なぁ雄大、光樹の腕がそこにあっるってことは光樹はもう死んでるのかな、俺が殺したのかな」
大地は弱気な声で雄大に問いかけた。
しかし、雄大からの返事はなかった。
「おい!雄大!!生きてるのか!!」
大地は大きな声で問いかけたが反応がない。
しかしここからでは雄大の部屋を確認できない。
心配になり。大地は
「雄大!薫!光樹!誰か返事してくれよ!!」
しかし、反応はもちろんない。
外はすでに暗くなり
大地は横になり、「これが夢なら・・・」
と思いつつ目を閉じた。
翌日、声が聞こえ目が覚めた。
「大地!生きてるか大地!!」
雄大の声だった。