覚えてない。
ーー気づいたら、密室にいた。
「イテテ・・、ここはどこだ・・・」
周りを見回すと1つの窓、トイレに蛇口、鍵のかかった扉それにテレビ。
まるで刑務所のような風貌の部屋にいた。
「昨日は高校の時仲の良かった同級生の結婚式にいて・・・その後当時のいつメン4人で2次会行ったよな・・・」
昨夜の記憶を思い出しながらなぜこんなところにるのか、酔っ払って何かしたのか、身につけているものや周りを確認したが何もない。
すると
「誰かいないのか!!出してくれ!!」
聞き慣れた声に
「雄大?」
昨夜一緒に2次会行った一人、そして今でも親友の雄大の声だった。
「なんだ!大地か!!!なんの冗談だよ!ここから出してくれよ!」
慌て声で雄大は言った。
「俺も出れないんだよお前もどこかに閉じ込められてるのか??」
「お前もって、大地お前もか?」
どうやら雄大も自分と同様にどこかの部屋に閉じ込められているようだ。
「大地なんなんだよこの部屋!悪趣味すぎだろ・・・」
ーー刑務所のような部屋だがまぁ、人によっては悪趣味と言えるのだろう。
そう思いながら
「俺たち昨夜何してたんだ・・?酔っ払って刑務所のようなホテルにでも入ったんかな」
雄大に大地は問いかけると
「刑務所!?!何言ってんだ!!手錠やら拷問器具やら物騒なものがそこら中にあるわ!!それに・・・腕が落ちてる・・・」
「腕??どうせ偽物だろう?そういうコンセプトのホテルかなにかじゃないのか」
まだ客観的に考えている大地は雄大に問いかけた。
「これ、光樹の腕だ・・・大地これ光樹の腕だよ・・・」
「何言ってんだよ?」
「覚えてるか?昨日の光樹の結婚式の時、いつメンで一番早く結婚したからって腕にメッセージ書いただろ」
ーーそういえば書いたな俺は幸せにしてやれよって書いた。
「大地お前なんて書いた?俺は子作り頑張れよって書いたけど」
「俺は幸せにしてやれよって書いたけど、どした?」
「そうするとこの、”おめでとう”は薫か」
そういえば昨日いたメンバーで薫はどこにいるんだろう。
「光樹大丈夫か?、薫いるのか??出してくれよおい」
雄大がそう叫んだが何も反応がない。
「雄大、昨日のこと覚えてるか?俺2次会で居酒屋行った後まったく覚えてないんだ」
「居酒屋で光樹の嫁の由香とお前の元カノの明菜と合流しただろう、その後歩いて心霊スポット行こうってなったな」
光樹の嫁、由香と明菜も高校の同級生だ。二人も仲良く学校ではよく連んでいた。
ーーとなると、ここは心霊スポットか何かか?
「他に覚えてることはないか?ほんとに何も覚えてないんだ」
「2チームに分かれて・・廃墟に行ったな・・・俺と大地と光樹・薫と由香と明菜に分かれた。先に俺らが行ってその後薫たちが入ってきてるはずなんだが・・すまん俺もここまでしか覚えてない」
「なんか身の回りに昨晩の記憶に繋がるものないか??」
すると雄大は
「携帯あったわ、でも圏外・・・」
ーー畜生。こんなところさっさと出たいのに・・・
「なんだよこれ・・・」
「なんだ!?なんかあったのか?」
「携帯の写真フォルダ見てなんか思い出せないか見てたんだけど・・・」
「けど・・?なんだよおい!」
「お前が光樹の腕切ってる動画がある」
ーーーは?
雄大が何を言ってるか一瞬理解が遅れたが
「俺が光樹の腕を??そんなわけないだろ何かの間違いだろ!」
「いや、お前だよ。それにもう一人いる」
「もう一人誰だよ!」
「”俺だ”」
雄大は震えた声で答えた。
「それもこの部屋で・・いやそんなことはない俺は何もしてないただ廃墟に行こうって言っただけだ・・・」
「ってことは、俺ら記憶がないうちに光樹にそんなことしてたのか・・・?その動画の続きはどうなってる!!」
「いや、動画はここで終わってる。やっぱりこの腕は・・・光樹のだ・・・本物だ・・」
現実味のない話すぎて未だに実感は湧かない。
ーーいつメンなのにそんなことするわけが・・光樹に対して恨みや妬みをもっているわけではないのに。
なぜ何も覚えてないんだ。そう自問自答していたら
”ガチャ・・・”
ドアが開いた音がした。