第4話 この世界は何度もループしているらしい
数時間後に、何らかの悲劇が起きて、拉致された私達は死んだ。
その時間を起点として、一定の時間が巻き戻っているらしい。
「この世界は何度も同じ時間を繰り返している。ループしてるんだ」
ループしてるって言われてもな。
証拠を見せろよ。
なんて言ったら、本当に証拠を見せやがった。
耳打ち。
「お前は、父と母と知が繋がっていない。養子だ」
なにっ!
その秘密、誰にも言ってないんだぞ。
何で知ってるんだよ!
本当に未来から来たのか?
あいつは、ほかのメンツにも色々順番に言っていった。
他のメンツはことごとく顔を真っ青にしていく。
信ぴょう性がある、だと!
阿保のくせに!
あとその他にあいつは、これから起こる事を予知して見せた。
放送事故とか夕立とか。
時間まで正確に、ぴたりと言い当てる。
これは、偶然では片づけられないぞ。
えっ、じゃあ私達は本当にとんでもないことに巻き込まれるのか!?
後から嘘でした、盛大なドッキリでしたって言われた方がまだましだったよ!!
事情を呑み込む私達。
おい、そんなまじめな顔で「信じてくれてありがとう」とか言うな。
現実逃避できなくなるだろ。