赤い花と彼の話
普通になれなかった俺は
赤い花に出会った。
赤い花は俺の話を聞いてくれた。
普通になれない
普通になりたい俺は
普通になれなかった。
赤い花がいう。
“「ふつうは大切?」”
「普通だから生きていけるから、普通じゃないやつは生きていけない」
“「ふつうってなに?」”
「普通は…」
気づく。
普通ってなんだ?
普通とは
ふつうとは?
普通とはなんなのか?
わからない
わからない
俺にとって普通とは?
誰かにとって普通とは?
ちがう
ちがうはずだ。
でも俺は普通が好きだ。
普通に、普通に、普通が…
「ふつう、は」
わからない
“「ふつうは分からないけどあなたは」”
赤い花は
いう
“「ここにいてくれる。だから、ふつうとか、どうだっていいよ」”
「でも、普通じゃないと…!」
赤い花がおちてくる。
ふわっと、俺の頭にあたった。
俺はそれを手のひらにのせた。
赤い花はいう。
“「ここがもうふつうじゃないと思う」”
「…あ」
“「だからふつうじゃなくても誰かを傷つけようとしなければきっと大丈夫だよ」”
赤い花は笑う。
表情なんて見えないのに。
とても優しく笑っていると感じる。
俺は答える。
「…ああ、そう、だな…」
赤い花はおちる
赤い花はおちてくる
赤い花は…
おちてくる。




