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私の思考

作者: 紅茶べあー

一人になると周りの幾多の音がスローモーションになる。

重なり合う雑音が、聞きたくもないのに耳に滑り込んでくる。

その時、私の思考は深く潜っており、私は鋭くなっているのだと実感する。


大抵、集中するのは忙しいときだ。

のんびりと何かを考えていても、何も思いつかないことが多々である。

これは私が現代人だという証明なのか、と少し笑える。

無制限の情報の中を掛けているときこそ、脳はその回転を速めるのだから。


そして、その回転は僕が行うべきこととは違う角度へ進行方向を向ける。

作業に没頭しているとき、脳は別の作業を行っているのだ。

その時の私はまるで並列処理を容易くこなす。自分を疑うほどである。


その結果導き出された「それ」を「正解」としよう。

思考が想いとは別に導き出されたその答えは、

画期的であり、新発見であり、興奮するに値するものである。


しかしながら、その興奮は私が行うべき作業をこなしている高揚感も混じり合ってか、

ひと段落つくと急に萎れていく。


同時に、思考も回転をやめる。徐々に音が通常再生に戻っていく。


するとどうだろう。

画期的で、新発見である「正解」は、その輪郭をボヤかし、

まるで水面から沈んでいくようにユラユラと姿を消していくのである。


必死になって掬い上げようとするも、手からボロボロと零れ落ちていく。


何も残らない手のひらを見つめたとき、何とも言えぬ焦燥感が私を包み、

それを振り払うため私はまた作業に没頭するのである。

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