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第1話 目覚め

 ぼんやりと目を開ける。見慣れた天井が遠くに見えた。


 しばらくそのまま惚ける。左隅の壁紙の模様が見慣れた何かを作り出していた。口を大きく開けたカエルだった。


 ゆっくりと身体を起こし、寝ぼけ眼で辺りを見渡した。陽光が散乱するホコリを柔らかく映し出していた。


 自宅だった。




 「夢か……。まあ、そうだよね」


 ほっと胸をなでおろす。隕石に押し潰される夢なんて何かの予兆だろうか。


 時計を確認した。午前8時を過ぎた頃だった。


 健康的な体内時計に半笑いしながらアレックスを呼びかけた。


 返答はない。やはり帰ってきていなかった。




 小腹を満たすためリビングに向かう。食卓を通った時、何かが視界に入った。どこかで見たことのある便箋だった。


 アレックスからの便りだろうか?急いで内容を確認する。


 「IB社へ向かってください 話はつけてあります」


 奇妙な話だった。


 IB社? なんでボクがそんな所に。


 そもそもこれは誰が書いたものだろう。家の中に手紙があるんだからアレックスなんだろうけど、何か腑に落ちない。


 もやもやを抱えながら、とりあえずハチは冷蔵庫からサンドウィッチを取り出した。思っていたより空腹だったようで、するする口に入っていく。


 食べながらハチは考えた。


 IB社。イノベーション・ブレイクスルー社。


 確か、アプリの開発なんかをやってる新興企業だったかな。ベンチャーでありながらも、業績はすこぶる順調で、間違ってもボクなんかには縁のない会社だ。


 それに話をつけていると手紙には書かれている。まずはボクに話をつけて欲しかった。


 ぶんぶんと頭を振りかぶる。考えていてもまとまらない。ここ数日、不思議なことばかり起きていた。ナナリーの転入、アレックスの失踪。


 それに巨大隕石。あれは本当に夢だったのだろうか。夢だったとしたら、一体どこからが夢なのだろうか。


 最低限の物をリュックに詰める。関東支部は豊島区に位置しているのでちょっとした遠出になりそうだ。初めてのズル休みだった。




 電車代、大丈夫かな……。


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