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200文字小説集 vol.2

取り残された時代の中で(200文字小説)

作者: 日下部良介

令和、新しい時代が始まった。

でも、僕の中では時間が止まったまま。


彼女がそばにいる事が当たり前だった。

僕は彼女と共に時を刻んだ。


彼女が居ないとボクの時計は止まったまま。


彼女は違う誰かの時間の中で、違う誰かと時を刻む。


彼女との時間が重すぎて前に進めなくなった僕は時代に取り残された。


セピア色の世界で僕は色を探す事も出来ない。

いつまでも終わらない平成を僕は一人で歩く。


それはそれで悪くはないのかも知れない。

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