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知識の探求者と冷酷な4色時計  作者: 白崎 祥造
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昨日と明日の境目に

 あの眩しい雷光の後、何があったのだろうか。あまり覚えていないが、この思考が働くということはとりあえず、生命の欠片とやらはまだ、この身体にすみついているのだろう。

 「ねぇちょっと、起きてよ!てか起きなさいよー!!」

 頭上から騒々しい声がする。雄々しいような声ではなかったが。

 「わ〜った、わ〜った」

やる気がいかにもなさそうな反応を示しながら、重い体を起こすと、目の前には見慣れない制服に、白いショートカットをなびかせる、澄みきった海のような青い瞳をした女の子がいた。突然のことだったので何が起きたのだと驚いていると、その女の子は

 「どうしてあなた、学校で寝てるの?魔術の勉強のしすぎで頭の一つおかしくなった?」

と笑えない冗談を言ってきた。いや、あんた誰だ……。ここは一体どこだ?魔術の勉強?そんな異世界じゃあるまいし。ましてや俺は学生じゃないし、社会人だし?勉強なんてしてすらいない。変なことを言う娘も今の世の中にはいるもんだとか思いながらもその女の子に、真面目な顔で

 「ここはどこだ、そもそも魔術?学校?意味がわからんぞ?あと、あんたは一体誰だ。その制服も見たことないし、頭の一つや二つおかしくなりそうだ」

というと、女の子は笑いながらも自己紹介を兼ねながら質問にも答え始めた。

 「私はシエナ=レイベルノよ。で、あんたが寝てたここはレーグル魔術教育学院。様々な分野の魔術の勉強をするところ。この制服は白色を基調としてこの法学院に通う生徒だけが着ることができるの。まあ、こんなところかしらね?わかった?お勉強しすぎのおバカさんっ♡」

 ちくしょう、見た目は清純的で可愛いくせに…いや、まあいい、とりあえず聞いたことのない魔術がなんだ、レーグル…なんとか学院なんてそんなの地図にあっただろうか。まあもう仕方ない、とりあえずこの学院の生徒と間違えられたらしいので、その手に便乗することにした。

 「あー、とりあえず校長室ってどこよ、校長に挨拶でもしてくるわ」

というと、シエナは丁寧に教えてくれた。なんだ、根は良い娘じゃあないか。この性格がなければ。とも思ったがそっと収めることにした。

 校長室に向かいながらも、クロトは色々と考え事をしたので、予定よりも遅くに校長室につく羽目になってしまった。彼女は2年生の生徒らしい。二つ年下だったのかとため息をつき、そして校長室をノックした。意外にも校長は優しく、すんなりとクロトの話を受け入れ、今後の相談も聞いてくれた。

 校長は俺に2年生のクラスに飛び入りで入学してほしいと頼んできた。どうやらクラスの一人が辞めて一枠空いていたそうだ(俺はただの穴埋め役らしい)。何をすればいいのかわからなかったのでとりあえずは、入学することになった。これって裏口入学とかいうんじゃないかとか思ったがそんなことは気にしない。

 まてよ……?魔術ってことは……ここはもしかして……?

「ついに来たァァァ‼これが異世界転移ってやつか‼

異世界に召喚されし俺っ!まあもちろん美少女は付きもんだと定番だが、まさにそのパターンじゃねぇか‼」

 秘められた能力で世界を救う。なんと響きのいい言葉だろうか。しかしどんな能力なのかイマイチわからないが、いずれかはわかるだろう。


 そんな忙しい朝を迎えたあと、一日が始まった。

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