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番紋の恋人  作者: 九ノ丸
恋の終わりに幸せなんて願えなかった
7/30

放課後の公園 3

放課後になってすぐ兄から電話がかかって来た。この時間にかかってくる電話の用件はいつも雪白玲に関わること。今回も案の定玲についてで、帰宅ルートから離れて移動しているから後をつけろと言われた。


本人の姿はすでに近くになかったかが、位置情報が数分おきに送られてくる。それを頼りに移動し、学校から少し離れた所にある公園でその姿を見つけた。


学校でとてもウワサになっていたから、恋愛がらみの話をしているのは想像がつく。公園には入らないまま玲の写メを取りメールで送る。


そのまま様子を見るように指示が来て、公園の様子をうかがっていると祐樹が怒りだした。慌てて四条聖しじょうひじりは公園に突入する。


「暴力反対」


振り上げた手をとり軽い口調でたしなめるとにらまれた。玲にケガをさせるととても面倒な彼氏が現れる。止めてあげたのは祐樹の為にもなる善意なのに、振りほどかれた。


「邪魔すんな」

「なら落ち着けよ。雪白さんも挑発しない。あと、彼氏に電話して」

「まだ電話する時間じゃないけど?」

「雪白さんが帰宅ルート外れたから心配してるから」

「こんな女に彼氏いんのかよ。趣味ワリー」

「恋人はファッションじゃないんだから、趣味かどうかなんかでつき合わない。そういう考えだからコロコロ彼女が変わる残念な人なんだ」


再び祐樹に手を上げられたので間に割り込む。足が出てきたので頭打たないように腕を押さえたまま転がす。衝撃の一番強いのが腰になるように制御した。


聖は悔しそうな祐樹の様子を確認し、ケガはさせていないことに安堵する。


「手、上げるとかサイアク。別れた後がグダグダすぎ。別れたけどいい人だったくらい思わせてくれない? 今の祐樹、別れてくれてありがとうレベルでクズいよ」


祐樹に対して聖は特に思うことはない。ただ、拘束してないと暴れるので玲をケガさせない為に抑え込んだ。


自分が言われているのではないが、女の子二人の口撃を聖は一緒に聞かされ、心が痛い。


女の子は弱くない。むしろ敵にまわしたらいけない生き物。友人相手ならそのくらいの助言はしてやるが、祐樹はクラスメートでも知り合いでもない。


同情心もわくことなく、ただただこの時間が早く終わってくれと、聖は願った。

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