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番紋の恋人  作者: 九ノ丸
恋の終わりに幸せなんて願えなかった
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放課後の公園 2

一緒に遊びに行くのは楽しくて、お互い連れて歩くのには良い恋人だった。高校卒業した後までつき合っている想像なんて出来なかったし、そのうち別れていたのだろうとは由良も思っている。


ただ、別れを告げるのは自分からで捨てられるつもりなんてなかった。


愚痴につき合ってくれるし怒ってくれるいい友人だけど、玲は痛い言葉浴びせかけてもくる。一緒に悲しんで共感してほしい時には向かないけれど、前を向かせてくれる。


元カノに対して情のないサイテー男。


カレカノ頃に情があったかと思い出そうとして、心当たりが出てこなかった。都合よく楽しく遊んでおしまい。

それはそれで悪くはないんだけど、優しさとか支えって面で考えたらいいところはない。


彼氏に愛されてる子は友人の彼氏に対して要求が高すぎるのだ。あれは今を楽しむだけの彼氏。結婚まで確定している運命の恋人とは違う。


玲が本気で怒ってサイテーなんていうから、驚いて冷めてしまった。おかげですっきりしたし、もう泣けそうにない。


「元カノをだしにいちゃつけるんだからゲスでしょ」


祐樹をかばう愛美に玲が冷笑と共に言い放つ。


「レイ、帰ろうか。もうどうでもよくなっちゃった」

「いいの? 恨み言でもはいていけば?」

「だって、この二人お似合いでしょう?」


玲を見ながら由良はにっこり笑う。笑えてしまって、本当に恋心は冷めてしまったのだと実感した。


「ゲスさがそっくりよね」


人の不幸をスパイスに楽しんでいる二人。こいつらの前ではもう泣いてなんてやらない。


「黙ってれば言いたい放題言いやがって何様だ」


怒って祐樹が立ち上がる。見下ろしてくる祐樹から玲は目を離さない。


「器小さ〜。新し女作った男が非難されるのは当然じゃない」

「お前が来いっていたんだろ!」

「良識があったら彼女連れてこないでしょ。あなた一人で恨み言聞けばいいんだから。別れ話に今の彼女巻き込むあたり、今の彼女も大事にしてないんじゃないの?」

「なんだと」


祐樹が手を振り上げたところで止める手があった。

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