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番紋の恋人  作者: 九ノ丸
恋の終わりに幸せなんて願えなかった
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昼休みの食堂

昼食を彼氏と一緒にとった。

いつも友だちと来ていた食堂に彼氏と手をつないで行く。それだけで、食堂は記念すべき場所になり特別な時間になった。


笑いが止まらない。


意識しないでも上がる口角に緩みぱなしの頬。意識してないと綺麗に笑えないのに、上手く笑みを作れない。感情ばかりが先に出る。


相沢愛美あいざわまなみが祐樹を意識したのは中学生のころで、以来、季節が変わるように移り変わる祐樹の彼女たちも見てきた。


だから祐樹が何が好きかなんて知ってる。つき合い初めはお揃いが好き。たがら、祐樹が選びそうなメニューを選び好みが一緒だと笑いあう。


一緒が好きなのに、しばらくすると一緒が嫌になるクセがある。刺激が欲しくなるんから、そうなったら一緒はやめなくちゃいけない。

それができた人だけが祐樹と三ヶ月を超えてつき合えてた。けれど、一緒が嫌な時期が過ぎたらまた一緒が好きな時期がくる。その人はそれがわからなくて別れたから、祐樹がどっちの時期にいるか、それだけは間違えないようにしないといけない。


ご飯食べて話してたらあっという間に予鈴がなった。


「教室戻りたくねーな」

「マナが一緒のクラスだったらよかったんだけど」


二人で残念って顔して、仕方ないよって笑っていると声をかけてきた人がいた。


「ユラの元カレとその彼女ですよね?」

「そうだけど、何?」


愛美の手を取り祐樹は話しかけてきた相手に剣のある目を向ける。由良のクラスが違う友だち。普段あんまり一緒にいないけど、由良と仲がいい人。


「放課後つき合ってもらえませんか?」

「あんたもユラのことで文句いいにきたの?」

「文句っていうか、ユラの前でいちゃついてくれない?」

「はあ?」


祐樹の顔が崩れる。


「昨日、学校終わってから日付が変わるくらいまでずっとユラの失恋話聞かされてたの」


真顔で告げるお友達に疲労感がにじむ。


「よりを戻すのはムリなのは理解してるみたいなんだけど、感情がついていかないみたいだから、もうどうしようもないってくらい目の前でいちゃついて。たぶん泣くけど、泣いた後はこっちで面倒見るから」


つき合っていることを避難されたら言おうと思っていた言葉はいっぱいあった。けれど、予定外すぎて言葉がでない。でも、祐樹の隣にいるのを自慢するのは悪くない案だった。

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