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番紋の恋人  作者: 九ノ丸
恋の終わりに幸せなんて願えなかった
3/30

四時限目の授業中

昨日元カノと別れた。幸せになってねと別れたが、泣いたらしい。そのせいで西原祐樹にしはらゆうきは居心地の悪い思いをしていた。


出席番号が近くてよく話す女友だち。番紋合致率をアプリで調べたら合致率が高くて付き合い始めた。三ヶ月つき合ってカレカノらしいこともしたけれど、友だちのままでもよかったかもしれないと思っていたところで、出会った。


教科書忘れて借りに行った隣のクラス。番紋の合致率を調べてる女の子たちがいたから、友人と一緒に軽いノリで混じったら70パーセント超えが出てしまう。


番紋の合致は幸せへの切符。


彼女よりパーセンテージが高いと思ったら気持ちごと持っていかれて、教室に戻ったその足で別れを告げた。


気持ちがなくなったのに二股かけて、徐々に別れた方がよかったのか。そんなの、今カノも元カノも不幸だろ。


「すぐに気持ちは整理できないけど、戻れないのはわかっているから」


元カノは悲しそうな顔をするが理解してくれている。なのにクラスメートたちは祐樹ばかりを避難してきた。

お互いわかり合っているんだからそっとしておいてくれ。何度かそう叫び、祐樹は休み時間の度に彼女のいるクラスへ逃げた。


「昨日の今日だから仕方ないよ。時間がたてばみんなわかってくれるよ」


ちょっと困ったように笑いながら慰めてくれる彼女。優しい彼女笑みにつられて祐樹も笑う。


「ふっちゃったオレが悪く言われんのはしょうがないか。出会った順番が悪かったよな。マナが同じクラスならよかったのに」


よしよしと頭何故てもらって、時間ギリギリに教室に戻ると泣きはらした目をした元カノがいる。今カノに会って上がった気持ちがすぐに下がってしまう。


かわいそうだとは思うが、あの目をなんとかしてほしい。

未練がましい目で見られても元カノのところへは戻れないから、早く由良が笑えるようになってほしいと願う。


授業に集中できないまま時間だけが過ぎていった。

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