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番紋の恋人  作者: 九ノ丸
恋の終わりに幸せなんて願えなかった
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とある運命の番持ち 1

四条斎しじょういつきは運命が出会う瞬間を見たことがある。


一目で惹かれ、そのまま吸い寄せられるように声をかけに行っていた。


それから十年余りが過ぎたが、飽きるということはないらしい。

GPSによる位置情報画面を常に視界に入る範囲に置き、仕事をこなす上司、柊花総一郎しゅうかそういちろう。同級生でもあるこの男は番より優先するものを持たない。


生きて目の前にいれば満足で、名前を呼ばれるのがこの上ない喜び。その存在がいるだけで満たされるらしい。


おそらく、見た目や性格がどれほど悪かろうと総一郎は気にしないだろう。だが、雪白玲という少女は深窓の令嬢という言葉が似合いそうな儚い系の美少女だ。


おかげでナンパはされるし、変質者に遭遇もするし、痴漢にもあう。一人でふらふらさせるには心配になる子なのだが、見た目に合わない気の強さがあり、一人でふらっと出かけることがままある。


そうすると仕事をほっぽり出して追いかけたくなるのが総一郎だ。


どうも出会った時、相手が幼稚園児だったせいか、総一郎が相手に向ける欲は庇護欲のようで、安全な世界に囲い込んでしまいたいらしい。


あまりに玲の側に張り付くからと、全寮制の学校に入れられた中学時代。戻ってこれないようにお小遣いを制限されたら、起業してお金を稼ぎ始めた。


そして国内ではダメだと、両親に中学校を卒業すると海外に出される。大学卒業するまで長期休暇以外帰国を禁止され、成人する前に国内に舞い戻ってきた。


向こうで学業だけでなく、総一郎はしっかりと稼いでもきた。それも、もう働かなくても困らないくらいに。

そして、これでずっと側にいられると発言し、慌てたのが両家の両親だ。


この時、玲はまだ義務教育期間中。結婚できる年齢にすら達していない。


運命の番。


その執着を持ち得ない者たちは理解していなかった。




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