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第一部最終話 チームショーエイ結成

「デデレデだ。デデレデ」

「れれれれ?」

「違う。デ・デ・レ・デ」

「れれれれ?」


 食堂に来てからずっとデデレデはエーカに正しく発音させようと頑張っている。

 努力の結果、エーカはさ行ならだいぶ発音出来るようになっていたが、まだ濁音、特にだ行は致命的に発音出来ていないエーカでり、そこを発音出来ないとデデレデの名前はどうしようもない響きになってしまう。


「真面目な話だが、ショーエイ、あんた、ホントにあの沼女を信用してるの?」


 相変わらず巨大な肉の塊を豪快に食べながら、レオネラは翔英に尋ねる。


「それはもちろん。カッとなりやすいですけど、凄く義理堅いですから。そんなに信用出来ないですか?」

「そりゃね。あんたら召喚人はともかく、私らはあいつらを魔物と呼んでいたし、実際にあいつらの仲間を殺したし、あいつらに仲間を殺された。言われたからといって、はいそうですかと信じられないんだよ」

「僕には分かりませんけど、沼の一族ではなく、デデレデさん個人を信じて下さい。エーカちゃんとも上手くやってるみたいですから」


 翔英が言うと、レオネラも一生懸命にエーカに正しく発音させようと悪戦苦闘しているデデレデを見る。

 エーカも真面目にやっているみたいだが、ああ見えて賢いエーカである。もしかするとデデレデと遊んでやっているのかもしれない。


「ま、それは保留する事にして、あの胡散臭いマスターの直轄チームで特殊部隊って事だったけど、ショーエイも同じ召喚人だろう? 本当のところはどうか分からないか?」

「僕とは格が違いますけど、この街のあり方とかを考えると他の街と接触しようとしているのは本当だと思います。でもそれは、レオネラさんも知っている事でしょう?」

「まあね。でも、マスターはどうしても胡散臭くてね」


 それは翔英も全面的に賛成である。

 エーカを追い掛け回している時のダメ人間状態の時でさえ胡散臭いのに、真面目に話している時は胡散臭いどころか危険さえ感じる。


「そこにくっついてるだけだと思ってた笹さんも、意外と見た目と違って油断ならなさそうだったし、どうしたもんかなと思ってさ」


 レオネラは本当に見た目の割に慎重な性格だ。


「でも、逆らえないでしょう?」

「いや、ギルドマスターはあくまでもギルドのマスターであって、この街の支配者では無い。建前はね。もっとも街の長がいたとして、マスターに正面から逆らえるとも思えないから事実上の支配者はマスターか。一応、表向きはマスターは街の支配者では無いわけだから、ギルドを抜ければマスターにも逆らえるわよ」

「あまりメリットは無いと思いますけど」

「まあね。それでも全面的に信じられない事に命を賭けるのは怖くてね」

「それは僕も一緒です」

「そこで提案なんだが」


 レオネラは翔英に言う。


「私達の装備は正直貧弱極まる。ショーエイの武器はティガーやレッドブルを倒せるほどだとしても、まともな防具も無しで夜の移動は自殺行為だし、エーカに至ってはまともに武器を使えるかも分からない」

「そうですね。エーカちゃん自身は超強いと言って譲りませんけど」

「だからまずは装備を整えるところから始めるべきだと思う。チームとしての連携も取れるようになるだろう?」

「狩りですか」

「そう言う事。装備品を整えるのにも金は必要だし、まず何より素材だって必要だ。どうだい?」


 翔英よりレオネラの方がよほどリーダーに向いていると言える。

 しかし、その提案は良い提案だ。

 赤い眼の剣は戦闘であれば文句は言わないだろうし、素材の摘出などをやってもらえるのであれば、翔英としても有難い。

 もし問題があるとすれば、チームの連携の部分だ。


「違う。デ・デ・レ・デ」

「でれれれ?」


 そんな話をしている中、デデレデはひたすらエーカに自分の名前を正しく言わせようとしていた。

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