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1 子豚ちゃんは呪いを解きたい所存です。

この作品は、 「乙女ゲームの噛ませ役に転生してたようですが、どうでもいいからダイエットしたい。 」のかきはじめと名称の一部を使いまわしています。

 

  が、世界観・話の展開はまったくの別物です。出てくるキャラも主人公はどことなく似ていますが、全然違います。

 

 ……ダイエットの続きがどうしても書けなくて、悪いのは初期設定のツメが甘さだと思って、最初から書き直したら、こっちが先に書き上がってしまいました。

 

 本当に「ダイエット」ではじめて小説をかいた初心者なので、そんなこともあるか、と許していただけると幸いです。


 

 鏡を見て、深く深くため息をつく。

 

 


 

 

 さきほど頭を打って、なんだか、記憶が混濁してる。

 

理由は前世の記憶がよみがえって、ここが乙女ゲーの世界だってことを思い出したから。


テンプレでもうしわけない。


いやー、こんなこと本当にあるんだねー。

 いや、前世でも「乙女ゲー転生もの」はかなり好きで読み漁ってたから、そのことで混乱はしない。


 攻略キャラなんかどうでもいいとかいいつつ、なんだかんだゲーム情報チートで皆に好かれたり、とかさー。

 夢だったんだよねぇ。




 だがしかし、私の現実は甘くない。むしろ、とても苦い。

 

 

 

 転生していた乙女ゲームの名前は『マジックプリンセス』

 

 魔法の国の魔法学校にやってきた、平民だけど、すべての属性の魔法に愛された『魔法のお姫さま』つまりは、ヒロインちゃん。 (デフォルト名 リリア・エンジェ) が、イケメンにも愛されまくって幸せひゃっほい。というラブコメディ風だだ甘主人公マンセーご都合主義ゲームであります。

 

 私の役柄はライバル……というのもおこがましい……噛ませ役です。

 

 

 2人いる、メインヒーローの中でも特に王道ヒーローキャラ、ルルゾ・オットレイ。

 

 赤い髪の生徒会長俺様キャラ。

 

 私はその「婚約者」です。

 

 このゲームはとてもとても主人公に都合よくできているので、ライバル役も素敵な人じゃないのです。

 

 

 ローザ・エラストリア。

 

 

 外見が悪く、性格が悪く、頭が悪い。

 悪い三拍子のそろった

 ふられても、誰も同情しない、安っぽい噛ませ役です。

 

 

 

 ……いや、ルルゾに婚約破棄されるのはいいの。笑いものになるのはちょっと恥ずかしいかもしれないけど、別に死ぬわけじゃないから。

 

 

 

 

 問題は、私の容姿です。

 

 

 

 

 

 鏡を見て、反射的に陰鬱な気持ちになる。っーか、油断すると泣き叫びそう。

 

 

 鏡の中にいるのは、どうみても、豚。

 

 どういう構造なの?なにをどうしたらこういう生き物ができるの?

 私の容姿は、ピンクの豚の気ぐるみそのもの。

 その着ぐるみに金髪の縦ロールの髪と、綺麗なドレスをつけています。

 本物の着ぐるみと思ったけど、チャックがない。脱げない。ピンクの着ぐるみ部分をつまんで引っ張っても私にちゃんと痛みがある。

 

 ゲームでのビジュアルもこのとおりだったんだけど、イラストレーターふざけて誇張しすぎたんだろう。

 

 それが現実に再現されているってすごいよね。

 

 乾いた笑いが「あはは。うふふ。」と漏れ出します。

 

 

 いや、こんなの笑うしかないだろ…。痩せられるの?ねぇ、これ。痩せられるの?痩せたらどうにかなんの?

 

 

 

 

 そのとき、とあるゲーム知識が希望の星として私の中で煌きました。

 

 

 

 

 

 

 そうだ。

 

 

 そうだよ。思い出した。思い出したっっ

 

 

 あれは

 

 『マジプリ』ハーレムエンドの後日談。

 

 ハーレムエンドクリア特典 ギャグシナリオ 正規タイトルが『呪いがとけるキス』

 

 通称名は、ローザ救済シナリオ。

 

 

 いつも怪しげな薬を作るのが大得意な、銀髪で腹黒で闇属性の癒し魔法の使い(ノーシア・ディムシー)が、他のハーレムメンバーを出し抜こうと、一時的にローザがヒロインに見えるというお薬を作ります。

 

 で、俺様メインヒーロー赤髪生徒会長(ルルゾ・オットレイ)がごくりとそれを服用してしまい、ローザを愛しているかのように振舞います。

 

 で、それを目撃したヒロインちゃんはとても傷つき、腹黒ノーシア君はその隙にヒロインちゃんとラブラブして、慰めます。

 

 ローザは調子に乗りますが、ルルゾくんは急に性格悪くなったヒロインでも愛してると、ローザにむちゅーとキスをします。

 

 で、すると

 ローザにかかっていた呪いが解けて、豚の姿じゃなくなるのです。

 

 なんと、豚の姿から、きらきらさらさらの金髪美少女に。

 

 ルルゾは時間とともに薬の効果が切れて、ヒロインに平謝り。

 

 ローザは呪いを解いてくれたことにより、ヒロインとルルゾに感謝して、ヒロインを親友と呼ぶようになる……。


 とまぁ、そんな短めのシナリオです

 

 なんでそんな呪いがかかってるのか、

 どういう原理でのろいがとけたのかとかの説明は、なんと、ありません。

 ギャグシナリオだしなぁ…。

 

 たぶん、どーせローザにはお決まりの王子様のキスで解ける呪いがかかっていて、ルルゾのヒロインへの愛はそんな呪いがとけちゃうくらい、素晴らしいものだよ。

 とか、まぁ、そんな感じの話にしたかったのでしょう。

 

 ローザが生まれてから悩んできたであろうこの豚のきぐるみな外見は、ギャグシナリオでヒロインとヒーローの愛の出汁(だし)にされてるんですが、んなこたぁ今はどうでもいいのです。

 

 だいたいハーレムエンドのくせに、そんなだらしない愛のキスで救われるローザの身にもなってみろ、とか、そんなことは思ってるけど、それもどうでもいいのです。

 

 

 問題は、個別ルートに入った場合、ローザは後日談でも豚のままです。

 

 

 

 私にとって大事なことは。

 

 ヒロインちゃんが無事にハーレムエンドを迎えて、豚のきぐるみの呪いをとくことなのです。

 

 

 

 

 

 さあ忙しくなるぞっ。

 

 

 

 

 

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