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第9話 浅井長政とお市、更にはエジプトについて

 記憶を振り返って、思い出すままにこのエッセイを描いているので、話がどうしても行ったり来たりしてしまいますが。


 改めて、浅井長政とお市、更にはエジプトについて描き、更にローマ帝国について描こうと思います。

 

 そもそもの発端は、織田信長と上里美子が結婚したこと、更に濃尾三川の改修工事からポロンナルワ改修工事へと人が送られて、更にスエズ運河開削工事にまで、話の流れの中で人が赴くことになったことでした。

 更に言えば、上里勝利も、養父の松一の縁からインド株式会社で働くことになりました。

 そんなこんなを絡み合わせた上に、この世界なりのスエズ運河開削の話を描こう、それならば誰の視点というか、主な語り手を誰にしようか、と悩んだ末に、浅井長政とお市にしようと私は決めました。


 この辺り、私なりの考えとして、信長の兄弟姉妹の中で信長と仲良く、その一方で喧嘩もして渡り合えそうなのは、お市だな。

 更にお市ならば、浅井長政という夫が出てきてもおかしくないし、と考えを進めたのです。


 尚、この時点では、浅井長政夫妻が共働きのエジプト駐在員夫妻で、そのサポート役として、上里勝利は日本本国とエジプトを随時、往復するような感じで描くつもりだった、と私は覚えています。

 

 しかし、私なりにこの頃のエジプトの史実等を調べて描いていくと、この世界の日本人がジズヤ(人頭税)等に怒りを覚えるのが、自然ではないか、と想えるようになりました。

 郷に入っては郷に従え、と言われるでしょうが、この世界の日本人は、「皇軍来訪」までは外国に赴いて定住するということは、基本的に乏しかったのです。

 そうしたことからすれば、「啓典の民」として保護する代わりに、税金を余分に払え、というイスラム法の論理に、この世界の日本人が素直に従う、というのは私には考えにくいことでした。


 更に言えば、「皇軍来訪」によって様々な知識、技術等を身につけて、昇竜のような勢いにこの世界の日本はこの頃にあるのです。

 それこそ今では遠い想い出になりますが、バブル絶頂期の頃に多くの日本人が世界を我が物顔で闊歩したような感じに、この世界のこの頃の多くの日本人もなっていて当然の気が私はしたのです。


 更に言えば、話を描いていく内に、濃尾三川工事の関係等から、尾張や美濃、伊勢からそれなり以上の人材がエジプトに赴いており、又、六角氏が第一部で族滅している以上、本編でも少し描きましたが、京極氏とも関わりのある浅井長政は近江の最有力者としておかしくなく、その呼びかけに応じて近江衆もエジプトに集っておかしくない状況に。

 ということは、史実の織田、豊臣政権で重臣を務めた多くの面々がエジプトに居る事態が。


 こんな状況になった以上、更にスエズ運河という存在まである以上、浅井長政夫妻を史実のムハンマド・アリーのような存在にして、エジプト独立戦争というのも悪くない、と私の脳内で悪魔がささやくことになりました。


(いや、この後の流れを考えれば、神の啓示だったのかも。

 何しろこの流れの果てに、東西教会の合同が果たされ、カリフは復活し、エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という三つの宗教の聖地として、この世界の平和の象徴の一つになったのです)


 こうしたことから、第5部においては、エジプト独立戦争が起こることになりました。

 更に言えば、この後で徐々に述べますが、色々な意味でこの小説の大きな節目にもなりました。

 エジプト独立戦争を発端として、上里家の多くの面々がこの世界の国際政治の渦に巻き込まれることになり、更に主役になっていったと言っても過言ではありません。

 本当に後から考える程に、大きな転換点になりました。

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 戦国日本が改変され拡大路線になった場合のひとつの帰着点が「太平洋およびインド洋から西欧勢力を駆逐し唯一の世界帝国と成り上がる」そして「その絶頂の景色でタイトルエンドからの二十世紀までの歴史(ほぼ史実…
庶民から摂家の一角まで成り上がった上里家という存在があるので目立ちませんが、そういえば、浅井家も凄く成り上がりましたね。近江の国人領主(1542年の段階なら戦国大名とは到底言えない)から、気が付いたら…
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