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第21話 この世界の通貨制度について

 この世界の通貨制度ですが、本編執筆中に何度か、感想欄でどうなっているのか質問等されています。

 又、改めて私自身が最終部になる第15部の中で、明帝国の通貨制度の裏を仄めかしながら、結果的に本編中では描かないままで終わらせる事態も引き起こしています。

 そうしたことから、このエッセイの中で補足しておきたい、と私は考えます。


 とはいえ、その一方、私自身がこういった通貨制度については、それこそ本職の経済学者のように語れる程に詳しくは無いので、なあなあで済まさざるを得ませんが、その辺りは平に緩く見て下さい。


「皇軍来訪」直後に日本は幣制改革を断行して、金貨、銀貨、銅貨を発行するようになります。

 それこそ、日本各地の鉱山を開発して、又、これまでに流通していた銭貨等を回収して改めて改鋳し、等々の方法を駆使して、日本内外の通貨を増大させ、それによる国内外の経済の流通の拡大を図ったのです。

 尚、5円を1ドゥカート(ヴェネツィア)と定めて、更に金の質量を同等にすることで、世界経済へのリンクを容易にして、欧州諸国に対する経済攻勢を掛けやすいようにもしました。

 その一方で、銀貨については特に金銀間の公定レートを設けず、金本位制を補完する秤量貨幣にする一方で、銅貨については1円=100銭、1銭=10厘という、史実の明治期に行われた新貨条例に准じた通貨制度を施行することにしました。


 更に言えば、日本経済が発達して、通貨の製造が追いつかなくなってくると、日本では兌換紙幣の発行が積極的に行われるようにもなっていったのです。

(私の脳内設定では、1560年代に入った頃、日本が完全にインド洋からポルトガル勢力を駆逐し、中南米大陸のスペイン領に食指を伸ばしだした頃から、兌換紙幣の発行が本格化したことに)


 さて、何でこんな通貨制度にしたかというと、それこそ私の理解としては、何れは銀本位制度は速やかに立ち行かなくなるし、金銀複本位制度にしても銀の価値の下落が起こって、速やかに金銀複本位制度はどうにもならなくなるだろう。

 そうしたことからすれば、先走り過ぎと言われるだろうが、日本は幣制改革による金本位制の導入を断行すべきだ、と私は考えた次第です。


 又、それこそ言わずもがなのことかもしれませんが、史実でもメキシコやペルーを中心とする中南米の銀や日本銀の増産により、16世紀から17世紀に掛けて「価格革命」が起きています。

(尚、10年程前まではそれが通説だったようですが、最近ではそれよりも人口爆発による影響の方が、「価格革命」を引き起こしたという説が強いようで、その辺りは旧通説に従った描写です)


 そんなことを考える程に、この世界の日本は将来を見据えて金本位制を通貨においては採用して、銀貨を秤量貨幣として補助的地位を与えるべきでは、と私は考えた次第です。


 そんなこんなの果てに、作中での時は流れていくことになり、日本は世界に侵出していって、日本本国内の中南米の銀鉱山を抑える一方、カリフォルニアや豪州等ではゴールドラッシュを引き起こし、又、南アフリカを植民地化することで、その地の金山やダイヤモンド鉱山も制することに。


 そうしたことからすれば、それこそこの世界の大半の金銀、ダイヤモンド鉱山を日本は制してしまった気がする程です。

 でも、その一方、日本の技術の流出は世界中で様々な産業革命を引き起こすでしょうから、必然的に通貨流通量の増大を引き起こすことにもなるでしょうし、金本位制から史実同様に徐々に管理通貨制度に移行していく気が、私はしてなりません。


 それらを考え合わせ、1622年のこの世界では金本位制が崩れつつあると私は考えています。

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― 新着の感想 ―
 銭と経済に関しては論文ならともかく小説で下手に踏み込むと“沼”にハマって抜けなくなる上に読者の経済通がやたらと感想と言う名のツッコミを入れだしてエタった作品はなろうにも無数に存在するのでハイファンタ…
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