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第18話 源氏物語の影響

 本当に今年の大河ドラマで「源氏物語」が取り上げられなければ、と今更ながら、私は思います。

 もし、今年の大河ドラマが「源氏物語」で無ければ、この小説の結末はかなり違っていたでしょう。

 前話で書いたように、鷹司(上里)美子と後水尾天皇陛下、鷹司信尚の三角関係が、最終的にこの世界ではどうなっていたのか。


 例えば、鷹司(上里)美子と鷹司信尚は末永く添い遂げて、後水尾天皇陛下と徳川千江皇后陛下と家族ぐるみの良い付き合いを、生涯続けることになったのか。

 それとも、後水尾天皇陛下は、それこそ鷹司(上里)美子が老境に差し掛かるまで、ずっと横恋慕の念を抱き続けて、美子はそれを拒み続けるのか。

 はたまた、史実通りに鷹司信尚が若死にして、鷹司(上里)美子は後水尾天皇陛下からの求婚を拒み切れずに、最終的には中宮として入内したのか。

 その辺りは、読者の皆様のご想像にお任せします、というのが。

 それこそ、本編完結を1620年にしていた、第13部の執筆を始める頃までの私の予定でした。


 ですが、今年の大河ドラマの内容を、私なりに知るにつれて、この際にこの小説にも反映させようと考えたことから。

 更に言えば、嘘を吐くなと言われそうですが、本当に結果的に起きた偶然の産物なのですが、後水尾天皇陛下と鷹司(上里)美子の年齢差が、「源氏物語」の光源氏と藤壺中宮の年齢差と同じになってしまったことから、この際に大河ドラマと連動させても良いのでは、と悪魔がささやくことになりました。


 そして、感想欄でも指摘されたように、鷹司信尚は1621年に薨去した史実があるのです。

 そうしたことからすれば、尚更に「源氏物語」では光源氏と藤壺中宮は表面上は結ばれないものの、冷泉帝を秘密の関係から生すという事態が起きましたが。

 この小説世界では、最終的には後水尾天皇陛下と鷹司(上里)美子が結ばれても良いのでは、つまり、後水尾天皇陛下と鷹司(上里)美子が結婚しても良いのでは、と悪魔がささやくことになったのです。


 そういったことから、皇太子時代になりますが、後水尾天皇陛下が鷹司(上里)美子に恋慕して、それを拒むために、鷹司(上里)美子は、徳川千江を皇太子妃殿下、後の皇后陛下にしようと奔走する事態が起きることになりました。

 

 とはいえ、「源氏物語」の光源氏と藤壺中宮の関係でもそうだったとしか、言いようがありませんが、後水尾天皇陛下の義母と言える鷹司(上里)美子への恋心は冷めることはありませんでした。

 更に言えば、後水尾天皇陛下が自らを磨き続けたこと、更には史実通り(?)に鷹司信尚が薨去したことから、鷹司(上里)美子は義子の後水尾天皇陛下の求愛に負けて、後水尾天皇陛下に協力した末に、自らは中宮として入内する事態にまで、この世界では至ることになったのです。


 尚、この辺りは鷹司(上里)美子が尚侍だったというのも、結果的にですが、上手く収拾することになった背景です。

 尚侍は今上陛下の宮中女官長であり、細かいことを言えば今上陛下と性的関係を持つ女性では、本来は無いからです。

(最も史実からすれば、未婚の尚侍は今上陛下の事実上の后妃だったと言っても過言ではないようです)


 そうしたことから、鷹司(上里)美子は、後水尾天皇陛下の義母と言えば義母になりますが、細かいことを言えば後陽成天皇の后妃とは言えず、後水尾天皇陛下の義母ではないと強弁できることになります。


 そのために、最終部の第15部において、様々な紆余曲折があった末、更に言えば北米共和国政府やローマ帝国政府までが賛同する茶番(?)がありましたが、最終的に後水尾天皇陛下と鷹司(上里)美子が結婚することになった次第です。

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