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第16話 マンダ教他について

 それこそ、宗教関係を深掘りしだすとキリがないですし、更なる厄介事が起きかねないので、この話でこのエッセイ中において、本編における宗教問題に触れるのは終えますが。


 第8部でローマ帝国復興から、オスマン帝国のスルタン=カリフ制復活に至る流れを描いて、こうなるとオスマン帝国内でイスラム教スンニ派過激派が台頭して、更に言えば、オスマン帝国政府はそれを派手に弾圧するのも、国粋主義、愛国主義の観点から苦労するだろうな、と考えたのが、そもそもの発端でした.。


 そういったことから、アーイシャ・アンマールこと、広橋(上里)愛の背景ができました。

(尚、当初の設定では、ここまでにするつもりは無くて、単にハレムの女奴隷の一人が、カリフから下賜されただけのことにするつもりだったのですが。

 それなりの背景を付けねばと考え、更に名前をどうするかを考えた末に、トンデモナイ事態が引き起こされることになりました)


 カリフ(スルタン)のハレムは、基本的に元異教徒の奴隷ばかりというのを知り、元キリスト教徒ではありきたりに過ぎる、と考えたのが私の誤り(?)の発端で、色々と調べた末に元マンダ教徒ということにアーイシャ・アンマールをすることにしました。


 そして、必然的にマンダ教について調べざるを得なくなったのですが。

 本当にマンダ教というか、グノーシス主義の宗教の詳細は調べる程に、宗教に余り詳しくない私には手に余ることになりました。

 それこそ、この世界を創造したのは神なのか、それともデミウルゴス、神以外の造物主なのか、という違いが、一般的な一神教とグノーシス主義宗教の間にあるのは、私なりに理解できたと考えますが。


 更に人が死後に神によって救済されるのは、何故なのか。

 神の赦しによるものなのか、それとも人の中にはそもそも神性があるからなのか。

 等々のそれ以上の宗教的な話になると、私にはどうにもついていけないというか、どうにも描けない話になってしまいました。


 とはいえ、一度描き出した以上、今更無かったことにする等、できる訳が無く、内心で泣きながら描き続けることになり、更にはマンダ教徒の北米共和国への大量移住から新マンダ教の成立という話まで描くことになるとは、重ね重ね望外のことになったものです。



 それから、この世界の1622年現在、エルサレムがユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三宗教共通の聖地として扱われ、表面上はローマ帝国領ですが、ヨルダン川西岸地域の一部を領土とするオスマン帝国と直に隣接もしており、事実上はエルサレムの住民による自治が為される宗教上の中立が保障された土地になっていることになっています。


 この辺り、現実のエルサレムの現状、様々な歴史的経緯からしても、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が聖地エルサレムで平和共存すること等はアリエナイ、実際にイスラエルは容赦なくパレスチナ人を迫害している、と指摘されたことがありますが。


 現実に1947年に国際連合が提案して加盟国の多くが賛同した「パレスチナ分割案」では、聖地エルサレムを「特別な地位」に置くことで宗教的和解を図っています。

 又、その後も何度か、聖地エルサレムを「特別な地位」(最もその内実をどうするか、で論争が絶えず、却って聖地エルサレム問題の解決を困難にしているという批判もあるようですが)にすることで、宗教的な和解が図れないか、という提案が主にイスラエルやパレスチナ以外から為されており、現実から考えても、全く荒唐無稽な提案、解決策では無いと、私としては申し上げたいです。


 それにしても、ここまで仮想史で宗教問題を描くことになるとは。

 本当に色々と悩むことになりました。

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