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第14話 この世界の奴隷と年季奉公人について―3

 そんなことから、この世界では外国人の年季奉公人問題から北米独立戦争が起きたのですが。


 そうは言っても、時代は流れていきます。

 容易に外国から年季奉公人を投入して開発、開拓できる余地は、南北両米大陸において失われていくでしょうし、それに自然に人口増も起きていくことは、年季奉公人の需要を更に失わせるでしょう。

 又、この世界なりの産業革命の進行は工業化を世界的にも進めることになり、そうなると史実、現実世界がそうであったように奴隷や年季奉公人制度を、徐々に良くないモノとするようになり、北米共和国でも年季奉公人制度が縮小、廃止の方向になるのは必然と私は考えました。


 更に言えば、作者の私自身も気が付けばのことになりますが、北米共和国は様々な意味で宗教、宗派対立を孕んだ国になっていました。

 そもそも、私のイメージに過ぎないかもしれませんが、戦国時代の日本国内で過激な信徒が多かった浄土真宗本願寺派と法華宗徒(不受不施派)が、日本の北米植民地に積極的に赴いて、現地民の改宗を進めているのです。

 そして、北米共和国には欧州やアフリカから大量の年季奉公人が流れ込んでおり、彼らの多くが宗派こそ様々でしょうが、キリスト教徒やイスラム教徒なのが、目に見えています。


 又、ローマ帝国復興戦争に伴うバタフライ効果から、オスマン帝国内ではスンニ派過激派が勢力を増しており、それから逃れる為にマンダ教徒が北米共和国に大量に移民した末に、北米共和国を中心に世界宗教化を図る動きまでが起きる一方で。


 東西教会合同に反発したカトリック信徒の一部は、古カトリック教会を設立することとなり、これまた、その信徒の多くが北米共和国内で活動することに。

(古カトリック教会の信徒は、欧州諸国政府や東西教会合同に賛同した多数派の住民から迫害されたことから、欧州諸国内から北米共和国に多くが移住したという裏設定が実はあります)


 そうした状況になれば、少しでもそれを抑えるために、北米共和国でも外国人の年季奉公人制度が縮小廃止の方向に進むのが、当然というか、自然の気が私はした次第です。


 更にこの世界の他の国々の状況を考えていくと。


 まずは、ローマ帝国の奴隷や年季奉公人に対する方策ですが、それこそ敵は潰せ、というお国柄ということもあって。

 建国というか復興以降、旧オスマン帝国領はともかくとして、それ以外の土地、イタリアやウクライナ、ロシアの大地では、旧貴族、地主階級の多くが族滅されて、彼らの土地は国有地となり、かつての住民等に帝国から払い下げられることで、農奴等は解放されて、自作農が創設される事態が多発した結果、最終部の1622年においては、ローマ帝国内では農奴制は事実上廃絶されていると考えます。

 そして、帝国内の産業革命、工業化を進捗させる必要から、少なくとも表面上は奴隷や年季奉公人は法律上禁止されるようにもなっている、ということでお願いします。


(何故に表面上という枕詞を付けるかというと、急激にローマ帝国は拡大しており、更に日本や北米共和国とは比較にならない多民族国家で、民族間の対立、蔑視が国内に残存しておかしくないからです。

 史実のワラキア(ルーマニア)でロマが奴隷扱いされたような状況が、復興から40年も経たない帝国内に残存しても当然の気が)


 他のオスマン帝国等の世界の諸国も日本等を見習って、奴隷や年季奉公人について廃止の方向に進みつつあるでしょうが、現実世界等の状況も併せて考えを進めると、そう簡単に廃止出来るモノではなく、表面上、法律的には廃止されても、一皮むけば様々に形を変えて残存している国が稀ではない状況にある、と今の私は考えています。

 この辺りをこれ以上描くと、本当に荒れかねない、と私は考えるので、この世界の奴隷と年季奉公人については、このエッセイで取り上げるのは、これで終えます。


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