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最高のエッチ

ドンッ


 床に倒された。待って?

 この状態はまずい。稀人が私の上にかぶさっている。

 待って?

 やっぱり稀人、するつもりだったの?





「稀人?」

 

 キスをすり抜けて一生懸命に呼びかけた。

 もう稀人は結構イってるっぽい顔。

 かすった程度に私の手に当たった下半身も、ちょっと膨らんでいる。

 キスでイっちゃう稀人はかわいいと思う。

 でもいつか変身する。

 ……って、

 待って待って!!

 下に陽菜姉いるしっ


「黙ってろ。下に聞こえる」


 稀人が言う。

 いやいやっ。

 わかってるならどいてよっ


「稀人っ!!」


 がんばった。

 稀人を思いっきり押して、起き上がらせる。

 それの反動で私も起き上がる。

 稀人は驚いた顔ひとつ見せなかった。


「……結伊、最初から俺のこと好きじゃないんだろ?」


 はぁ?

 いきなり言われたひとことに、わけがわからなくなった。

 それに加えて稀人の顔が怖かった。

 怒ってるの?なんで?

 まったくわかんない。


「無理して俺といなくていい」


 そう言って稀人は立ち上がり、向こうへ向かって歩いて行く。

 待って。

 嫌いじゃない。

 エッチだって嫌じゃない。

 稀人といたい。

 なにがなんだかわかんなくなってる。

 とにかく

 行って欲しくない。

 稀人が好き。


「待ってっ!」


 自分が泣きそうになっているのはわかった。

 でも決して泣かない。

 泣かない。

 弱いって思われたくない。

 恥ずかしいし。

 関係ないのに……好きって言葉が溢れ出る。

 冷たい瞳で振り向く稀人。

 どうしたの?

 何がそんなに嫌だったの?

 悲しくなる。

 そんな瞳だった。


「1回目のときは、いうとうりにしてくれたじゃん」


 ……え?

 エッチ、ことわったから?

 それで怒ってるの?

 だったら、本当のこと言いたい。

 1回目との隙間がありすぎて、緊張してたの。

 時間があきすぎてて、処女みたいに変な声がでちゃうかもしれなくて。

 はずかしくて。

 今日はダメかもっておもった。

 ほんとはしてほしかった。

 稀人に触れたかった。

 今までのできるだけの時間にエッチができてたら。

 こんなにふたりで悲しまなくてすんだ。……のに。


「1回目見た俺のアレ、いままでの奴の中で一番ぶっそうだったのか?」


 馬鹿にしたように言う。

 そんなことない。

 そんなことないよ?


「そんなことないよ!!」


 ついつい言っちゃった。

 顔を真っ赤にする稀人。

 変態みたいだけど、稀人のはきらきらしてた。

 一番好きな……アレだった。


「じゃあなんで今日、断ったんだよ」


 ……言う。


「最近エッチしてなくて、緊張してたのっ。私は稀人以外とは……しないから。絶対」


 言えた。

 言えた。

 やっと言えた。

 なんかわかんないすっごい達成感があった。

 なんかいろいろスッキリした。


「……そんな顔してっと、またしたくなる」


 え?

 真っ赤になった顔で言う。

 冷たい瞳はどっかにいった。

 いつものかわいい稀人。

 私もしてもいい気がした。


「……いいよ」


 照れながらもちゃんと言った。

 また勘違いされちゃうのはいや。

 そうおもったから。


「マジで?」


 稀人がニヤッとして言った。

 肉食系に進化したっ!!!

 

 結局私が負けたことになる。

 

 急にこっちにきてキスをされる。

 今度は平気。

 ちゃんとお互いをわかってる。

 濃厚なキスのあとは、ちゃんとエッチもできた。

 やっぱりきらきらしてた稀人のアレ。

 それと、最中の稀人もきらきらしてたよ?

 

 ねぇ。

 ちゃんと知るから。

 稀人の気持も、身体も。

 


 だいすきだよ。




 


 

 



 

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