第74話
4月21日 土曜日
昨夜は、部次長達と、よく飲んだ。
今は、ドルトムントの我が家にいる。
隣には、いつもどおりイザベラがいる。
いいね。
幸せだね。
午前中、のんびりとした時間を過ごす。
イザベラや娘達は、庭で剣の稽古をしている。
そろそろ、昼ご飯の時間なので、みんなリビングに戻ってきた。
汗をかいたので、この後、風呂に入る様だ。
私が、ソファーで寛いでいると、頭の上に魔法陣が現れた。
冷静に魔法陣を見ると、神気が滲み出ている。
「創造神様だ。」
と言った瞬間、視界が変わった。
目の前に創造神様が居る。
予想通りだ。
周りを見ると、私と創造神様以外に9人いる。
エルフが2人、ドワーフ、犬系の獣人、猫系の獣人、角と尻尾がある人、西洋人っぽい人、ホビット、天使みたいに翼のある人
全員、見たこと無い人だ。
「この子が、10人目よ。ハルト君よ。みんな仲良く、協力して頂戴ね。」
と創造神様が、外の9人に向かって言う。
私は、何のことなのか判らない。
キョトンとしていると、9人の内の1人が、私に
「もしかして、何も聞いて無いの。」
と言ってくるので、「はい。」と返事をする。
その人は、顔をしかめて、
「やっぱりな。私は、デクスターだ。ここにいる10人は、創造神様の眷属だよ。」
と言う。
この人は、エルフの男だ。
「あ、そうなんですか。ということは、先輩ですね。ハルトです。よろしくお願いします。」
と言って、皆に向かってお辞儀をした。
「ここは、神界にある闘技場だ。ここに呼ばれた理由だけど、今から破壊神様の眷属と戦うんだ。と言ってもゲームだけどね。」
と言う。
つまり、創造神と破壊神の遊びのため、突然、転移させられたらしい。
「いい迷惑だ。」と思い、不満そうな顔をしていたら、デクスターさんが、
「まぁ、仕方ないよ。これも眷属の務めだから。我らが気軽に、天使や悪魔を召喚するのと同じだよ。」
と言って諭してくる。
そして、今から始まるゲームの内容を説明してくれた。
10対10で、創造神様の眷属と破壊神様の眷属が、戦いをする。
眷属は、全員階位7だ。
今回は、チーム戦だ。
今回のルールは、相手の陣地にある旗を取った方の勝ちだ。
勝敗は、2本先取。
首を刎ねられるか、頭を破壊されたら退場。
皆、階位7の亜神・半神なので、死なないから遠慮は無用。
しかし、神気を使うのは禁止だ。
神気を使った魔法や剣技だと、亜神や半神とはいえ、死ぬ恐れが有るためだ。
「でも、お互いに階位7なら、神気を使わない攻撃魔法なんて効かないですよね。」
と言って質問すると、皆に笑われた。
「そうか、ハルト君は魔法の使い方を知らないんだね。相手が階位7でも、上位神の魔法を借りれば、ちゃんと攻撃魔法も効くよ。魔法だけじゃ、致命傷にならないけどね。」
と言うので、
「ええ、そうなんですか。そんな技があるのですか。」
と驚くと、
「とりあえず、最初は前衛をやって貰おうか。後で、そういうのも教えるよ。」
と言う。
「前衛ってことは、剣で戦えば良いのですか。」
と言って、天叢雲剣を出す。
「そうそう、それを使ってよ。それなら、ちゃんと切れるから。でも、くれぐれも神気を使ったら駄目だよ。使うと、即退場だからね。身体強化などの魔法は、自分でやってね。」
と言うので、
「判りました。」
と返事をした。
皆、自分の神器の武器を出す。
準備は万端だ。
「それでは、行こうか。」
と言って、闘技場の真ん中に歩き出す。
対面からも、10柱の亜神・半神と思われる奴らが、歩いて来る。
オーガの代表に、エルフ、ドワーフ、猫系の獣人、東洋人っぽい人、リザードマン、角と尻尾がある人、天使みたいに翼のある人、ダークエルフぽい人が2人というメンバーだ。
「じゃぁ、今回もよろしく頼むよ。」
と、デクスターさんが、破壊神側の代表に挨拶をする。
破壊神側の代表は、オーガだ。
普通に話してるけど、見た目は完全にオーガだ。
「こちらころ、よろしくな。そっちの彼は、新顔かい。」
と言うと、デクスターさんが、
「ああ、ハルト君だ。今回が初参加だから、お手柔らかに頼むよ。」
と言って紹介してくれたので、私は破壊神側の神達に
「ハルトです。よろしくお願いします。」
と言って、頭を下げて挨拶をした。
「おお、こっちこそ、よろしくな。」
と破壊神側の神達も、気さくな感じで挨拶をしてくれた。
皆、良い人そうだ。
「それじゃ、配置に着くか。」
とデクスターさんが言うと、開始線と思われる線まで、皆が下がるので、私も下がった。
「第1戦、始め。」
と声が掛かった。
前衛役の6人が、前に進んだので、私も同じように前に進んだ。
破壊神側も、7人が前に出た。
身体強化にブレスを重ね掛けした。
私の相手は、猫系の獣人だ。
まぁ、神になってるから、既に獣人じゃないけど。
手にはバスタードソードを持っている。
左手に天叢雲剣を持ち、右手に神気の太刀を持ち構えた。
神気の太刀が、神にも効くのか、試したかったので丁度良い。
相手は、私が二刀流になったので、驚いた様だった。
しかし、動きが速い。
相手の剣速も速い。
二刀流でも、防御するのがやっとだ。
神気の太刀は、相手の神器を受けて、耐えているが、受けるたびに刃こぼれしている。
神気の太刀では、神器には敵わない様だ。
このままじゃ負ける。
私は、短距離転移で相手の背後に入り、神気の太刀で相手の首を斬った。
相手の首が、宙を舞った。
「よし、効いた。」
神気の太刀でも、階位7相手が斬れるのが判った。
私は、そのまま相手の旗の方に走った。
すると、後衛役から、私に向かって、ファイヤーアローの魔法が飛んできた。
相手の旗が視界に入ったので、短距離転移で旗まで転移した。
旗を取った!
「勝負あり。終了。」
と声が掛かり、第1試合が終わった。
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