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第36話

これからも、よろしくお願いします。

 家に帰り、夕飯の時間になり、7人で会食する。


 オリビアが、不機嫌だ。


「オリビア、どうかしたか?」


と聞くと、


「お父様、嫌い」


と言って怒ってる。


「こめんよ。オリビア。何で、怒ってるんだ。」


と聞くと、


「昨日、私だけ、手を打たれた上、突き飛ばされた。酷い。私の事、嫌いなんだ。」


と言って、プイッと顔を背けた。


「オリビアのこと、大好きだよ。あー悪かったよ。遣り過ぎた。お父さんを許してくれないかな。」


と言えば、


「今回だけだよ。」


と言って、機嫌を治してくれた。


「ふふふ、オリビアが不貞腐れるなんて、珍しい。ハルト様に甘えてるのね。」


と言って、イザベラが笑う。


 ソフィーが、


「アイラ、どうなりました。」


と、私に聞いてくる。


 ソフィーの目を見ると、期待に満ちた目をしている。


「ああ、感づいたな。」


と思い、


「アイラは、階位4だ。ハイエルフになった。」


と伝えた。


 するとソフィーが、


「やっぱり。じゃぁ、来週の週末は、私の国に行きませんか。23日から30日まで、春休みですよね。」


と提案し、


「それに、アイラに世界樹の守護をお願いしたいの。守護と言っても、傍に居なくても大丈夫なので、行動の制限も有りませんから。ハイエルフが誕生した以上、王女として国に報告しないといけません。色々と面倒ごとが有るかもしれませんが、お願いします。」


と言ってきた。


「そうか。判った。ソフィーを信じるよ。アイラ、良いよな。」


と、アイラに聞くと、


「はい。はい。」


と二つ返事だった。


「では、決まりだな。」


と言うわけで、来週の予定が決まった。


「おじゃましましたー!」

「いってきまーす。」


 夕飯も食べ終わったので、6人とも寮に帰る事になった。



 私は、平日に帝国の迷宮を探索し、週末は、ソフィーの国か。


 ちょっと、思いついたことがあった。


「さて、ブローチを造るか。」   


 まず、掌の半分くらいの大きさの


 カボションカットのスターサファイア

 ラウンド・ブリリアントカットのパパラチアサファイア

 オーバル・ブリリアントカットの真紅のルビー


を造った。


 オリハルコンを用意し、シンプルなデザインの台座を作り、ブローチにする。

 そして、それに聖遺物を入れ込める。


 そして能力付加で、


 危機感知(階位7級)

 オール・プロテクション(指定した範囲を攻撃から保護する)

 天使の支配

 再生(対象の時間を戻し、外傷等を元に戻す。)

 蘇生(魂魄魔法により、対象の魂を呼び戻し、生き返らせる。死後2時間以内が限界。)


を付与するが、今回、再生と蘇生の魔力の供給源を天使に設定する。


 同様に3セット造った。

 完成だ。


*******************************

名称 天使のブローチ

原材料 オリハルコン、宝玉、聖遺物

付加効力

・所有者以外、所持できない。

・ブローチは、常に神気を纏う。

・危機感知(階位7級)により、攻撃から身体全体を保護オール・プロテクションする。

・死亡した場合、主天使の魔力により、外傷を修復し蘇生させる。

*******************************


と言った結果になった。


「イエス!会心のできだ。これで、心配事が一つ減った。週末に渡そう。」




 2月19日 月曜日(日本)

 3月19日 光の日(エスリンゲン国)


 さて、今日も帝都の迷宮を探索するか。

 ダンジョンコアを起動し、帝都迷宮へ転移し、転移の水晶で、地下900階に移動する。

 今週は、忙しいからな。

 休憩無しの速攻だ。




 2月22日 木曜日(日本)

 3月22日 火の日(エスリンゲン国)


 現在、帝都の迷宮地下1,700階だ。

 なんと、1,000階を超えた。

 こっちの迷宮では、初めてだ。


 ゲートを使い、自宅に戻り寝た。




 2月23日 金曜日(日本)

 3月23日 風の日(エスリンゲン国)


 今日は、奴隷商に行くことにした。

 お土産用に女の奴隷を買う。

 仕事で来ている以上、組織の要望に応えないと。



 奴隷商に着いた。

 比較的、大通りに近い場所だ。

 王都でも、高級な店らしい。

 外壁は、真っ白だ。


「こういう店って、路地裏の黒い店じゃないの。」


と思いつつ、入口の扉を開けると、カウンターに若い女性が座っている。


「いらっしゃいませ。本日は、どの様な奴隷をお求めですか。」


と、笑顔で接客だ。

 なんというか、後ろ暗い感じが全くない。

 部屋も、日当たりが良くて明るい。

 内装も、白を基調とした明るい感じだ。


「女性の奴隷が欲しい。安い方が良いかな。人生お先真っ暗な人が良い。でも、奴隷って、どんな人が居るのか興味があるから、色々と見せて貰えると嬉しいかな。」


と言うと、


「承知いたしました。予算は、幾らまでですか。」


と言うので、


「買おうと思っている奴隷は、金貨2,3枚くらいかな。でも、気に入った人が居れば、大金貨100枚までは考えるよ。」


と言うと、


「では、高級奴隷から順にご案内いたします。」


と言って、別室に案内された。


「しまったな。思わず、予算を言ってしまった。こりゃ、足元を見られかねんな。まぁ、その時は、正直に言ってもらうか。」


等と思っていると、今度は、男性の店員がやってきた。


「ハルト様、お初にお目にかかります。店主をしております。ドミニクと申します。以後、お見知り置きください。」


と言うので、


「なぜ、私の名前を知っている?」


と聞くと、


「Sランク冒険者で、火属性ドラゴンのオークション出品者ですよ。お顔くらい覚えないと、こういう商売はできません。」


と説明した。


「そうですか、ドミニクさん。安くしてくださいね。よろしくお願いします。」


と返答すると、


「勉強させていただきます。」


と定番のセリフを言った。


「では、順次紹介いたします。」


と言ったところ、部屋に女性が5人ほど入ってきた。


「この5人は、高級奴隷になります。5人とも、夜の相手もできます。これが、この5人のプロフィールになります。」


と言って、5枚の紙を渡され、それぞれのプロフィールが書かれていた。


「5人は、14歳から17歳で、スレンダーな美しい女性だった。生まれは、それぞれ違うが、身分は元平民だ。親に売られたらしい。」


 現実を知ると、やっぱり、気分が重くなる。


「もう少し、違うタイプの人は居ませんか。」


と聞くと、


「判りました。」


と言って、今の5人が退席し、次の5人が入ってきた。


 17歳のエルフ女性

 16歳の猫っぽい獣人の女性

 14歳の犬っぽい獣人の女性

 18歳の黒髪黒目の女性

 15歳の白髪赤目の女性


だった。


 この5人も、驚くほど美形だった。

 プロフィールの内容を見ると


 エルフの子は、奴隷狩りに遭って、昨日、連れてこられたばかり。

 猫獣人の子は、親に売られて、1週間前に連れてこられた。

 犬獣人の子は、猫獣人の子と同じ村で、親に売られて、一緒に連れてこられた。

 黒髪黒目の子は、奴隷狩りに遭って、2日前に連れてこられた。

 白髪赤目の子は、2週間前に親に売られた。


等と書いてある。


「この子達は、幾らなんだい。」


と聞くと、


「エルフは大金貨6枚、獣人は2人とも大金貨5枚です。黒髪は大金貨2枚、白髪は大金貨3枚です。」


との回答だった。


「そういえば、黒髪黒目の子は、王都でも初めて見ました。こちらでは、珍しいのですか。」


と質問すると、


「はい。黒髪の人は、東の大陸出身者が多いです。王都では、珍しいですね。この子も、そちらの出身の様です。ハルト様と同郷ですか。」


との回答だった。


「いや、違う。そうか、黒髪黒目は珍しいのか。」


と返答した後、


「では、エルフの子を買うよ。あと、安い奴隷も見せてくれ。」


と言うと、


「ありがとうございます。では、(とう)が立った者、身体欠損の有る者と居りますが、如何しますか。」


というので、


「身体欠損の方で頼む。」


というと、


「承知いたしました。動けない者もいますので、御足労願っても宜しいですか。」


というので、席を立って、場所を移動することにした。

 店主の後に付いて、廊下を歩くと、地下への階段を降りる。

 そこは、1階の華やかな雰囲気と違って、薄暗く陰湿なものだった。


「この部屋に入っている者たちが、対象になります。金貨1枚か2枚です。」


と言うので、鑑定を併用して見渡す。


 女性部屋なので、全て女性だ。

 年齢は様々だったが、20代から30代が大半だった。


「この子とこの子をくれ。」


と言って、


 片足の無い25歳の女性

 片腕の無い21歳の女性


の二人を買うことにした。


 この二人は、同じパーティーに居た元冒険者だが、魔物に襲われ、片足、片腕を無くした様だ。

 身体欠損となり、冒険者ができなくなり、借金から奴隷に身を落とした様だ。


 ちなみに、2人とも不細工とは言わないが、美しくもない。


「では、お会計と手続きがありますので。」


と店主がいうので、また店主の後に付いて歩く。


 先ほどの部屋に戻ってきた。

 買った3人の奴隷は、身形(みなり)を整えるため、別室に移動している。


「では、ハルト様、合計で大金貨6枚と金貨4枚になります。」


というので、


「では、どの程度勉強してくれるんだ。」


と言うと、


「ああ、これはこれは。ハルト様には負けました。」

「では、大金貨6枚と金貨2枚でお願いします。」


と言って、多少値切ってくれた。


「判った。」


と言って、大金貨6枚と金貨2枚を渡す。


「しかと、受け取りました。」


と言って、金貨を受け取った。


 すると計った様に3人の奴隷が部屋に入ってきた。


「これから、ハルト様に忠誠を誓うよう、ギアスの魔法を施します。」


と言って、店主は魔法具を取り出し、それを使って3人にギアスの魔法を施した。


 はぁ、神のくせに、奴隷を買ってしまった。




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