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第2話

迷宮が出来た翌朝の話です。

よろしくお願いします。

 7月1日 土曜日 午前5時

 目が覚めた。


 スマホで時間を確認すると午前5時だった。

 いつも起きる時間だから、目覚ましが鳴った。

 しかし、今日は土曜日なので、仕事は休みだ。

 起きなくて良い。


 昨夜は3時過ぎに寝たから、1時間半くらいしか寝てない。

 なのに、爽やかな目覚めだ。

 寝不足独特の倦怠感が、全くない。


「ステータス」


*******************************

〇パーソナル情報

   階位  6

   種族  人

   肉体年齢  20歳

   魔素保有量 0/4,294,967,296

〇基礎値

   物理出力 43 ×6,5536(階位補正)

   物理耐性 256 ×6,5536(階位補正)

   体力量  4,294,967,296/4,294,967,296

   魔法出力 0 ×6,5536(階位補正)

   魔法耐性 256 ×6,5536(階位補正)

   魔力量  4,294,967,296/4,294,967,296

〇能力

 ステータスエディター

 限界突破   

 ★感知系(階位6級)

   気配感知

   危機感知

   魔力感知

   空間感知

   敵意感知

   予感

   暗視

   魔力視

 ★強化系(階位6級)

   魔素吸収率95%

   病気耐性強化

   状態異常耐性強化

   精神耐性強化

   物理耐性強化

   魔法耐性強化

   外傷・欠損超回復

   精神力超回復

   体力超回復

   魔力超回復

 ★才能(階位6級)

   身体操作、魔力操作

   剣技、刀技、槍技、投擲技、格闘技

   通常魔法、時魔法、空間魔法

   魂魄魔法、重力魔法、錬金魔法

 ★支配力(階位6級)

   地の精霊の支配、水の精霊の支配

   火の精霊の支配、風の精霊の支配

   下位精霊の支配

   天使の支配、悪魔の支配

 ★その他(階位6級)

   鑑定、並列思考、ストレージ

*******************************


 寝たからか、体力量、魔力量が、最大値になっている。

 目覚めが良いのは、超回復を取ったからか。

 色々と判らないことだらけだ。


「昨夜のことは、夢じゃなかったんだ。」


 改めて、ステータスを見ていたが、能力が気になる。


「能力は、名称のイメージで何となく選んだけど、説明文とかないのかな。」


等と思い、能力の表示触れてみると、説明文が出てきた。


*******************************

〇ステータスエディター

 ステータスを編集することができる。

 創造神から付与された。


〇限界突破

 種族によって定められた限界値を超越することができる。

 しかし、神の領域には踏み込めない。


〇支配(階位6級)

 対象を支配できる。

 支配すると精霊、天使、悪魔を使役できる。

 支配した対象から魔力の供給を受けることができる。


〇並列思考(階位6級)

 並行して、多数の思考ができる。

 ハイパース〇ッディングの様なもの。

 多用すると発熱し、脳にダメージを負う。

 任意発動型


〇ストレージ(階位6級)

 対象を分解し数値化し記録する。

 分解されたものは異空間に収納するため、重量は感じない。

 対象の時間は停止する。

 保存量に上限はない。

 対象を数値化するので、原材料があれば複製可能。

 生物は、保存できない。

*******************************


気になったのは、こんなところ。


 魔素保有量に関する説明文を見たことで、色々と分かった事がある。


 どうやら、洞窟は迷宮ダンジョンらしい。

 迷宮内は、魔素に満ちていて、深く潜ると魔素の密度も増えるらしい。

 そして、その魔素を吸収すると魔素保有量が増えるらしい。


 魔素保有量が増え、最大値に達すると階位が上がるらしい。

 ってことは、約43億も貯めないと階位7には上がれないのか。


「無理じゃね?」


 階位が上がると基礎値の物理出力、物理耐性、魔法出力、魔法耐性に補正が係るらしい。

 物理出力と魔法出力の基礎値は、実際に鍛えないと上がらないらしい。

 ステータスで上げたら、その瞬間から筋肉ムキムキになるとか、それは無理なのか。

 しかし、魔素保有量が増えると、ステータスが上がるらしい。

 物理耐性と魔法耐性の基礎値の最大値は、種族による影響があるらしい。

 そして、体力量、魔力量は、階位によって最大値が決まるらしい。


 ステータスエディターがあるので、全て最大値にしてやった。

 

 さて、休日だけど、いつもの様に起きよう。

 そして、洞窟、、、いや迷宮の探索だ。


 いつもの様に朝風呂に入り、トースターでパンを焼いて食べ、歯磨きをする。

 服装は、昨日の様な感じで。

 このステータスを信じるなら、防具なんて必要ないだろう。

 ヘルメットは欲しい様な気もするけど、視界が狭くなるし。

 まぁ、刀や木刀と共にストレージに入れておくか。


 まだ、妻は寝ている


「裏庭に洞窟ができてる。中を確認してくる。夕方には戻る。」


と伝えたところ、「わかった。」と気のない返事が返ってきた。


 家を出て、とりあえず、コンビニに行く。

 2Lのお茶と、昼飯用に御握りを買い、家に戻る。


 現在、午前7時、さて、探索開始だ。


 地下2階のボスは、リポップしていたので瞬殺した。

 また、刀が手に入った。


「予備にするか、2刀流にするか。」


 とりあえず、予備にすることにして、ストレージ保存した。


 地下3階から、迷宮らしく迷路になった。

 しかし、「予感」の能力をとっているおかげか、迷うことなく進める。

 いまのところ、罠は無い。

 出てくる魔物は、角ネズミや角ウサギ等、角の生えた体長1mくらいの動物だった。

 刀で切るとスパッと切れる。腹を切ると内臓が出てくる。

 そして、血が噴き出して、グロい結果になる。

 しかし、すぐに消えてなくなる。


 それにしても、この切れ味も異常だ。

 骨もあるし、普通は、こんなに切れないだろうと思う。

 刀技の才能かステータスの影響か、魔鉄の性能なのか。

 謎だ。


 地下4階も、同じような感じだった。出てくる魔物が複数で出てくる様になったくらい。

 なんにしろ、瞬殺だ。

 地下4階には、ボス部屋があり、ボスがいた。

 ボスは、体長2mくらいの大きな角ウサギだった。

 鑑定したら「アルミラージ」という名前だった。

 雑魚に比べれば素早いけど、余裕で瞬殺だった。

 頭から叩き斬ったら、真っ二つになった。


 現れた討伐アイテムは、「赤い玉」だった。

 玉を鑑定すると、


*******************************

   名称 魔素吸収の宝玉

   効用 使用すると魔素が吸収できるようになる。

   使用方法 手に握り、使いたいと念じる。

******************************* 


という結果だった。


「でたー!ファンタジーっぽいやつ、キター!」


と思わず、叫んでしまった。


 なるほどね。どうりで魔素保有量が増えないわけだ。これが無いと吸収できないのか。

 宝玉を手に取って「使いたい」と念じてみた。

 すると、宝玉が消えた。


 ステータスを表示し、内容を確認するも、変化は無し。

 まぁ、時間が経てば、魔素を吸収して保有量が増えるかな。

 なにせ、吸収率95%だし。


 地下5階に入った。

 地下5階の魔物はゴブリンだった。もちろん瞬殺だ。


 首を刎ねる。

 胴を叩き斬って、上半身と下半身をサヨナラさせる。

 頭から身体まで、真っ二つにする。


 人型のゴブリンを相手に、色々と試した。

 しかし、全く抵抗感が無かった。

 普通に考えれば、血が出るし、内臓が飛び散るし、脳漿をぶちまけるし、嫌悪感があるはずだ。

 精神耐性強化の影響だろうか。


 地下6階から8階まで、魔物の種類が多少変わる程度で、同じ様な感じだったが、8階にはボスが居た。

 地下8階のボスは、ホブゴブリンだった。


 一瞬でホブゴブリンとの間合いを詰め、


「飛天御〇流奥義 天〇龍閃」


と叫び、太刀を振り上げ、ホブゴブリンの右脇腹から左肩にかけて、斬り裂いた。

 ホブゴブリン、瞬殺。


 肉体年齢を20歳にしたせいか、ステータスが上がったせいか、厨二病を発病しているらしい。


 ここの討伐アイテムは、透明な水晶みたいな玉だった。

 とりあえず、鑑定すると、


*******************************

   名称 転移の水晶(迷宮用)

   効用 迷宮の転移魔法陣の上で使用すると、行きたい階に転移できる。

      1個水晶で、一度に8人まで、同時に転移可能。

   使用方法 手に取り魔力を込め、行きたい階を念じると発動する。

*******************************

だった。

 なんと、転移ができるらしい。


 これは朗報だ。探索が楽になる。

 転移魔法陣って、1階にあったやつか。

 ああいうのが、他にもあるのか。

 どこにあるのか探さないと。


 とりあえず、8階のボス部屋の出口の扉をあけ、部屋を出たところ少し広めの部屋があった。

 そこには、地下1階と同じような魔法陣があった。

 8階の部屋を出ると、出口の扉が閉まった。

 後戻りは、できない様だ。


 これまでのボス部屋の外には、扉も魔法陣も無かった。

 転移は8階から使えるってことか。

 私は魔法陣に入り、使いたいと念じ、水晶を発動させた。


 視界が変わった。

 地下1階の魔法陣に出た。


 そのまま、迷宮の外に出ると、もう夕方だった。

 時計を確認すると午後4時だった。


 ステータスを確認すると

   魔素保有量 2

になっていた。


「おお、増えてる。でも、フルにしようと思うと約43億だよな。それって、やっぱり無理じゃね?」


 家に入り、リビングに居た妻に帰ったことを告げたが、これといった反応は無い。

 妻に、「裏庭の洞窟みた?」と尋ねたが、「見てない。」との返事だった。

 なんかムカついたので、妻との会話は、それで終わり。


 子供達に目を向ける。


長男は、中学3年生

長女は、小学5年生

次男は、小学2年生


 みんなリビングに居た。


 子供達に「裏庭の洞窟みた?」って聞いたが、興味が無いらしい。

 理由は、変な虫が出そうだから。


「でかい虫がいるから、入るなよ」


と告げたら、3人とも「うわっ、きも!」とか言って、気持ち悪がっていた。


 これなら、入ることもないか。

 怪我されても困るし、丁度いい。


 とりあえず、次男を抱きしめて


「パパの充電~♪」


と、いつものハグをして、癒される。


 こればっかりは、超回復でも無理だな。代わりにならん。

 長女も同じように抱きしめたいけど、最近は本気で嫌がるので、自粛してる。


 肉体的にも、精神的にも疲れてないが、何だろうか変な疲労感があった。

 飯を食って、風呂に入りながら、今後のことを考えることにした。

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