第10話
やっと10話になりました。
よろしくお願いします。
9月26日 火曜日
今日も、仕事だ。
サラリーマン神、今日も働く。
現在、朝5時、ピンポンが鳴った。
来客の様だ。
当然の様に妻は起きない。
私が起きて、対応する。
相手は、警察官だった。
「お巡りさん、お仕事、お疲れ様です!」
うちの近くで、身元不明の男性が死んでいたらしい。
特に外傷が無くて、病死の疑いだけど、念のための捜査らしい。
「夜中に物音や、争う声を聞きませんでしたか。」
という質問だった。
「昨夜、11時には寝ていたし、特に不審なことは無いですね。」
と答え、とりあえず、
「昨夜、家に地上げ屋が来た。」
と言って、昨日の不動産屋の名刺を見せておいた。
家に来た警察官は、その名刺の内容をメモし、帰って行った。
「真面目だなぁ。」
と思い、ちょっと感心しちゃた。
さて、家の守護を命じた天使を呼んだ。
「昨日、何かあったか。」
と聞くと、
「敷地内に侵入しようとした不届き者に、天罰を与えました。」
との回答だったので、
「それは、さっきの警察官が言っていた奴か」
と聞くと、
「仰せの通り」
と敬った言い方をしてきた。
「次からは、殺すな。麻痺させて、道路の隅に転がしておけ。」
と命じておいた。
「御意」
と言って、どこかに消えていった。
「天使って、怖いね。容赦ない。」
と思いつつ、仕事に行く準備をした。
知らん奴が死んでも、私には関係ないし、私の日常に変化はない。
家族と家は、天使に守らせた。
あいつら、1人を1日維持するのに、魔力65,536が3回必要だ。
つまり、65,536×3=196,608
まぁ、魔力は無限なので平気だが、中々の高コストだ。
ちなみに、8時間毎に神界に帰り、メンバーチェンジするらしい。
だから×3なの。
引継ぎ時の間隙を付かれない様、釘を刺しておいた。
これで、安心して仕事に行ける。
午後になり、職場に来客があった。
相手は、防衛省の人だった。
ロビーのフリースペースで、話を聞く。
まず、名刺交換をし、来訪した理由について、軽く話してきた後、
「あの洞窟は危険ですよ。」
と言ってきた。
何が危険かと聞けば、
「中に人を襲う魔物がいます。」
と言ってきた。
それで、何が言いたいのか聞いたら、
「国で管理するから、土地を売って欲しい。2億で、どうですか。」
との事だった。
「条件付きで良いなら、50億で売るよ。貴方、あの洞窟の価値を判ってるの。」
と言ったら、鼻で笑われた。
どうやら、
「売る気が無くて、吹っ掛けてきた」
と思ったようだ。
そこで、話は終わらせ、私は席を立った。
色々と言ってきたけど、お引き取り願った。
仕事を終え、家に帰る。
今日から、北京の迷宮を攻略することにした。
10月9日 月曜日
今日は、体育の日だ。
北京の迷宮を踏破した。
第12迷宮の管理者になった。
討伐アイテムの武器は、青龍偃月刀だった。
私は、関羽になった。たぶん。
材質は、魔鉄、ミスリル、マダマンタイト、オリハルコンだった。
やっと、オリハルコンが手に入った。
地下120階で、人民解放軍に出会った。
彼らは、魔法を使ってた。
殲滅してやろうかと思ったが、無駄な殺生は止めた。
家に帰ってから、召喚している天使達を集めた。
「異常は、無かったか。」
と質問すると、
「これまでに8人、無力化しました。」
と返事があった。
「2週間でか、キリが無いな」
と思うと、何だかムカついてきて、
「次からは、天罰を与えて、天◯門広場に捨てろ。」
と指示した。
「御意」
と言って、消えていった。
10月22日 日曜日
上海の迷宮を踏破した。
第6迷宮の管理者になった。
討伐アイテムの武器は、斬馬刀だった。
材質は、魔鉄、ミスリル、マダマンタイト、オリハルコンだった。
中華武器は、素材用だな。趣味じゃない。
10月25日 水曜日
職場に自衛隊の人が来た。
合計4人も来た。
自衛隊の人は、
自衛隊の偉い人
防衛省の偉い人
いつぞやの特殊作戦群の隊長(正式には第1小隊長)
いつぞやの左腕の人
だった。
4人と名刺交換をした後、左腕の人は、私に右手を差し出し握手を求めてきたので、それに応えた。
「ありがとうございます。御礼が言いたくて、無理言って付いて来ました。」
と言い、小隊長も
「その節は、助かりました。貴方に命を救われました。」
と言って握手を求められたので、快く握手をした。
「左腕は、ちゃんと動きますか。なんで、私が判ったのですか?」
と聞いたら、左手を
「グーパーグーパー」
して、
「大丈夫です。」
と言い、
「名古屋の迷宮の話が出た時、貴方だと思いました。迷宮で貴方と話をした時、少し名古屋弁みたいだったので。あとは、勘です。」
と言われた。
「流石ですね。」
と感嘆した旨を伝え、
「それで、話は何ですか。」
と言って、本題に入ってもらった。
どうやら、2点あるらしい。
1点目は、迷宮についてだ。
「50億で買う準備があります。条件について教えてください。」
と言ってきた。
ちょっと面食らった。
まさか、本当に50億も出すとは思わなかった。
「条件は、迷宮の探索権と、迷宮で獲得した物品の所有権の確保です。この条件の対象は、東京、大阪、名古屋の3か所でお願いします。」
と言ったところ、4人は安堵したようだった。
小隊長は、
「元々、探索しているでしょう。」
と言ってきたため、
「それについては、ノーコメントです。しかし、合法的に探索したいのです。」
と答えたところ、
「では、合意ですね。」
との返事だった。
次に2点目の話になった。
「特殊作戦群が迷宮探索を行っているのを知っていますね。迷宮探索の相談役をお願いしたい。」
と言ってきた。
「どういう契約ですか?」
と聞いたら、
「具体的な話は、今後、詰める。」
との事だった。
「契約の内容次第ですね。」
と伝えた。
10月27日 金曜日
自衛隊の人から、連絡があった。
「急な話だが、今夜、陸上自衛隊春日井駐屯地に来て欲しい。」
とのことだった。
今日の午後6時、迎えに来てくれるらしい。
先日の自衛隊の偉い人と防衛省の偉い人が居た。
私は、
C国が、裏庭の迷宮に目を付けていること
迷宮の管理者になると、迷宮が管理できること
既に、東京、大阪、名古屋、北京、上海は、私が管理者であること
魔素を吸収すると、身体能力が上がること
宝玉で魔法が使えるようになること
人民解放軍は、既に魔法を使っていること
等を話した。
自衛隊員が、宝玉を使っていない理由を教えてくれた。
最初に見つけた宝玉は、発見した隊員が、誤って使ってしまったらしい。
どんな効果があるのか、身体に異常がないか等を調べるため、検査入院をしたらしい。
一週間後、CTを撮ったら、肺に5cm大の腫瘍が見つかったらしい。
心臓に近い位置なのと、大きさの問題で、摘出したらしい。
腫瘍を病理解剖した結果、良性と考えられたが、初めて見るものだったらしい。
摘出した一週間後のCTで、また同じ場所に腫瘍が見つかったらしい。
等のことから、迂闊に宝玉を使うのは、隊員の命に係わると考え、慎重になっていたらしい。
私は、自衛隊の偉い人から、迷宮探索の相談役を懇願された。
「休みが充実していること。年収2,000万以上。プライベートの探索に干渉しないこと」
を条件とし、転職する旨を伝えた。
即決で採用になった。
マジかよ。
さらに、話の流れで、宝玉を売って欲しいとも言われた。
特にランク2以上の宝玉が欲しいそうだ。
「いくらで買いますか?」
と尋ねたら、1個5億で、どうかと言われたので、
「これ、オークションに出したら、いくらになりますかね?アメリカ、中国あたりなら、100億は出すと思いませんか」
と言ったら、
「確かに。」
と納得した。
しかし、私も愛国心があるので、相談役になった暁には、分け与えるか、ランク2や3の宝玉を、一緒に取りに行こうと思っている。
10月30日 月曜日
家の売却契約を交わし、売却金50億が支払われた。
家の引き渡しは、来年2月1日に決まったが、自衛隊による迷宮の調査は、本日から行うらしい。
新しい家は、千種区にした。
300坪の豪邸を中古で買い取った。
2億で買えた。
新築で建てると時間が掛かるので、ネットで中古物件を探したのだ。
車も買う予定だ。
ポルシェGT2を筆頭に5台ほど。
成金だぜー!
40億以上余ってるぜー!
でも、税金で10億くらい飛んでいくぜー!
それでも、30億は残るぜー!
一生、遊んで暮らせるぜー!
しかし、働くぜー!
来年から、自衛官になる。
階級は、1等陸佐らしい。
一般の会社だと部長級かな。
警察官なら警視正クラス。
軍隊でいうなら大佐だ。
シャアは大佐だ。クワトロは大尉だ。
色々と手当てを付けて、量増しするので、年収は2,000万を超えるらしい。
特殊勤務手当が、凄いことになるらしい。
年内で、我が社を退職することになった。
数日後、防衛省から、お願いがあった。
アメリカ、イギリス、フランスの迷宮には手を出さないで欲しいとの内容だった。
管理者になるなんて、もってのほか、探索自体、正規ルート以外は辞めてほしいとのこと。
理由は、友好国との軋轢を避けたいためらしい。
そんなことだから、弱腰外交と言われる様な気もするが、アメリカの核の傘に入っている以上、強くは出られないのだろう。
でも、所詮はお願いだ。
聞くかどうかは、判らない。
まだ公務員じゃないし。
11月4日 土曜日
モスクワの迷宮を踏破した。
第15迷宮の管理者になった。
討伐アイテムの武器は、シャシュカというサーベルの一種だった。
アルファ部隊っていうロシア軍の特殊部隊が、地下96階付近で展開していた。
隠密が良い仕事をし、全く気付かれなかった。
自衛隊と違い、彼らも宝玉を使っている。
魔法の扱いも、慣れている感じだった。
そう考えると、共産主義の国は強いな。
11月5日 日曜日
朝、子供たちを叩き起こした。
うちの子供らを迷宮デビューさせることにした。
ちょっと嫌がってたけど、無理やり連れて行った。
とりあえず、992階に転移し、
魔素吸収の宝玉
鑑定の宝玉 ランク1
魔力の宝玉(特大)
言語習得の宝玉
を使わせた。
言語習得の宝玉は、英語を取得するように指示した。
3人を引き連れ、迷宮を探索した。
疲れただの、気持ち悪いだの、文句たらたら。
途中で何度も、リジェネレイトをかけて、疲労の回復をした。
3時間で995階までしか行けなかったので、3人を両手に抱える等して、走り1,024階のボスを倒し、転移魔法陣で地下1階に戻った。
子供たちに、グロは見せたくないので、遠距離から魔法で瞬殺だった。
3人のステータスを鑑定すると、3人とも魔素保有量が、300前後になっていた。
階位も2になっていた。
「魔素の吸収率が、高いな。」
通常なら、60程度だろう。
それが、5倍の300だ。子供だから、吸収率が高いのか、1000階付近なので、魔素が濃くて、吸収率が良くなったのか。
理由は判らない。
物理出力も上がってるし、将来、虐めに遭うとか無いよな。
もし、虐められるとか、危害に遭うことがあったら、お父さん、相手を殲滅しちゃうよ。
11月6日 月曜日
今日も、仕事だ。
金があっても働く。
現在、後任者に引継ぎ中だ。
今月一杯で、引継ぎを終え、来月は有給消化で休み。
陸上自衛隊の3等陸佐が、私の窓口になった。
彼に連絡し、そろそろ、「アヴァロン」の探索をしてみたい旨を伝えた。
「判りましたが、相談したいことがあります。」
との回答で、今夜、会うことになった。
3等陸佐からは、
「アヴァロンから帰還する際、何処に戻って来るのですか?」
との質問だった。
迷宮転移で行けるため、何処からでも転移できるが、帰りは何処かの迷宮の地下1階になる旨を伝えた。
「検疫の問題があります。東京の迷宮へ戻ってください。直ぐに連絡を下さい。迎えに行きます。そのまま自衛隊中央病院へ行き、検査入院になります。」
と言われた。
「言われてみれば、そりゃそうだ。」
と思った。
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