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王都

香ばしい良い匂いがする。


匂いにつられて目が覚める、フィンはもう起きていた。


「お、レスよおきたか、もうすぐ朝食ができるらしいぞ」


匂いの正体は朝食だった。


「すごく良い匂いですね」


「待ちきれんの、下に降りて待っとくか」


食事の用意ができた案内を待てずにテーブルへ移動する。


すでにテーブルにはセリアとジャックがいた。


「おはようございますセリアさんジャックさん」


「おはようございますレスト様フィン様」


ジャックも挨拶をする。


「セリア達も食事が待ちきれ無かったのか?」


フィンじゃあるまいしそれは無いだろう……。


「昨日の馬車は王都までは行かないので新しい馬車の手配などしておりました」


やはりまともな理由だった。


「そうなのか、王都はまだ遠いのか?」


「いえ、距離的には昨日の移動距離よりも短いのですが昨日の馬車はカーリシアに戻らないといけないので王都まで行くと戻る分の運賃と宿代も必要になるのです」


「なるほど、でカーリシアとはどこじゃ?」


「あー、最初の町だ俺も名前なんて気にしてなかったから昨日地図を見て知った」


話をしていると朝食ができたようだ。


「お客様お待たせしました、朝食のニコール豚を使ったベーコンエッグと自家製パンとサラダです」


とても美味しそうだ。


「いただきますー」


「あ、ちょっと待ってください」


セリアに食べるのを止められる。


「そのまま食べても美味しいのですが、このパンを二つに割って間にサラダとベーコンエッグを挟んで食べてみてください、おすすめの食べ方です」


言われた通りの食べ方で食べてみた。


何とも言えない不思議な食感にパンの香ばしさ、サラダの甘み、ベーコンの濃厚な味、それらをまとめつつソースになる卵の黄身、確かにバラバラに食べるより良い気がする。


「こういう食べ方が流行ってるのですか?」


「王都に行くと店先で手軽に食べられるようにパンに具を挟んで売られてたりするんですが私それが気にいってまして」


「いやーお恥ずかしい、行儀よく育てたつもりでしたが探検家として一緒に活動するようになってから冒険者生活に憧れだして最近やんちゃになりまして」


「いやいや、大事なのは見た目じゃなく中身だからの、美味しくなるならそれでよいじゃないか」


外の世界に憧れるセリアとフィンはある意味似た者同士かもしれない。


食事が終わると馬車にのって早速出発する。


王都に着くまで昨日読んだ書物の内容をフィンにわかりやすく伝える。


夕方に王都に辿り着いた。


ルステリアル王国、王都フィーネシア。


国は王の名字から王都は初代王妃の名前から取られている。


ジャックは遺跡の発見内容を王に伝える謁見の手続きをする為別行動となった。


俺らはセリアに王都の案内をしてもらう。


「それではまずは端末を買いに行きましょうか」


そういえば端末をもらえるんだった。


「ここは端末の正規品を売っている店で普通に買うと高いのですが私や父、国の役人等が買う場合はこの店で買った方が安くなるのです」


「価格はいくらなのでしょうか?」


「そうですねー、連絡先の登録できる数によるのですが安い物で千金、高い物で十万金ぐらいですねー」


うわー、予想以上に高かった……。


「ちなみに正規品では無い物ってどんなものですか?」


「主に盗難品ですねー、安くはありますが初期化されてないと知らない人が登録されてたりするので怖いですね」


「レスト様とフィン様お二人分あったほうが別行動の時に連絡が取れて便利ですよね?」


「いやー、服とか書物に結構お金使ってしまって手持ちが100金もないので……」


「あ、二個とも差し上げますよ、百分の一の値段で買えますので」


発見者の権利はかなりすごかった、がそれでも高い物は千金するのか……。


「レスよくれると言ってるんじゃ、遠慮なくもらおうぞ」


「そうですね、はぐれた時に連絡が取れると助かりますし、セリアさんよろしくお願いします」


冒険者向けの頑丈な物を買ってもらった、定価一万金を二個……。


端末を買った後王都の冒険者組合に案内してもらう、王都の冒険者組合に端末を登録しておけば王国内の冒険者組合とは連絡が取れるらしい、これでカーリシアに無理に戻らなくても大丈夫になった。


冒険者組合の後は冒険者の装備品が売っている店を案内してもらったがこの世界には剣が存在しない事が分かった。


正確に言えば物理的な武器が存在しない、神が魔法の世界だと言ったのも納得できる。


色々お店を案内してもらったが、物理的な武器が存在しない事と魔法アイテムが存在する事以外は元の世界とあまり差は無いように感じた。


ジャックから謁見の手続きが終わったと連絡が入り食事をする場所で合流する事になった。


「謁見は明日になったので食事をして今日は宿に向かいましょうか」


謁見は明日の朝からに決定したようだ。


王都は国中の食料が集まるのでどの料理も美味しそうだが一番気になった料理を頼んでみた。


ピザという名の食べ物で薄く伸ばしたパンの上にソースと具をのせて焼く料理らしい、こんな物は食べた事がない。


食材自体は元の世界と似ていると思ったが料理の幅はかなり広いようだ、食事の度に驚きと喜びに遭遇する。


宿に着くとフィンは相変わらず同じ部屋でと言ってきたが少し慣れてきた。


と思ったけど一緒に寝るのはまだ慣れない。

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