ココララでの待機 その1
ココララに到着したがジャックが到着するまであと1日かかるみたいなので1日待機する事になった。
村の規模に対して冒険者の数が多いように見えるのはおそらく今回の依頼を受けた人がすでに待機しているからだろう、昼間から酒飲んで騒いでる団体もいる。
「こやつらも今回の依頼の関係者なのかの?」
「おそらくはそうだと思いますね」
「たいした奴はおらんように見えるが大丈夫かの」
「今回の依頼は捜索なので俺らみたいに護衛ではなく捜索スキルで雇われた人達も多いのでは?」
「なるほどの」
村の様子を見ながら雑談していると酒を飲んでいる団体がこっちに向かって近寄って来る。
「そこの嬢ちゃん俺らに向かってたいしたこと無いって言ったかい?」
「なんじゃ聞こえておったか、耳は一級品じゃの」
「うはははは、面白い嬢ちゃんじゃないかい、ゴリアス許してやれよ」
仲間の一人が止めに入って来た。
「ふん、お前らもエント遺跡の捜索チームに呼ばれてるのか?」
ゴリアスと呼ばれた男が鼻息を荒くしながら聞いてくる。
「エント遺跡?レスよそんな名前なのか?」
「ジャックさんにはこの村に来てくれとしか言われなかったので遺跡の名前は聞いていませんね」
「ジャック?ジャック・ルーンの事か!!!」
「そうじゃが何じゃ?」
「直接依頼されたのか?」
「そうですよ?」
「も、もしかしてA級冒険者のかたでしたか?……」
ジャックの名を聞いて急にかしこまった態度に変わる。
「いや、D級じゃがそれがどうした?」
「ひゃっはっは、もうダメ笑いが止まらない、ひゃっは」
先ほど止めに入った仲間が楽しそうに笑い出す。
「何がどうなってんだよ、なんでD級がこの仕事に来てるんだよ、しかもあのジャック直々の依頼って……」
「俺らは来てくれと頼まれたから来ただけなので文句があるならジャックさんに言ってください」
「ゴリアスやめとけ、あのジャックに選ばれたやつなら等級関係なく勝てねーぞたぶん」
「認めたくはねーがジャックは超一流だ、人選を間違えたりはしないだろう、いきなり突っかかってすまなかった」
「いえ、こちらもたいした奴はいないと言っているのでお互い様ですよ」
「俺はダート、こっちの姉妹はリンとリル、ジャック側のチームなら一緒に行動する事は無いと思うがよろしくな」
笑っていた男がメンバーの紹介をしてくれる。
「俺はゴリアス・ガレス、このメンバーの代表だ」
「フィン・ドラグネルじゃ」
「レスト・ソーディアスです、二人っきりのギルドなので代表はいません」
「お二人さんにちょっとお願いがあるんですが」
ダートがあらためて話しかけてくる。
「なんですか?」
「俺達一応B級の冒険者でしてね、お二人を見てると嫌味とかではなく本当に俺達が弱いと感じているようなのでその理由を教えてもらいたいなと思いまして」
「ふむ、ぬしらは他者の魔力を感知したりはできないのか?」
「魔力を感知ですか?そういうマジックアイテムですか?」
「いや、ただの感覚じゃ」
「そんな事できるのですか?」
「わしらはできるし、魔物もわしらの魔力を感知して逃げとったぞ」
「なるほど、生まれ持っての能力の差ですかね、俺らが出会った人でそれができる人はいませんでしたが」
「試しに魔法を見せてもらえたりしませんかね?」
「べつによいがここでやると危ないぞ?」
「では村はずれまで移動して」
「おいダート勝手に決めるな」
「ジャックに選ばれた人達ですよ?A級になる為のヒントがあるかもしれないじゃないですか?」
「それは……そうだが……」
「なんじゃ、依頼をこなしていけばランクは上がると聞いておったがA級は条件があるのか?」
「A級に上がるには所属する国の国王に認められなければならないのですよ、なので国王に近い人物に依頼を貰えるようになるのが早道なんです」
「なるほど、そういえばジャックはルステリアル国王と親しそうじゃったな」
「ルステリアル国王にも会った事あるんですか?」
「ジャックの依頼でな」
「ゴリアス、こんなチャンスいつ来るかわかりませんよ、素直に力見せてもらいましょう」
「お、おう、わかった」
村はずれまで移動してフィンが軽く魔法を見せる。
「こ、これは予想以上だ……なんでこれでD級なんだ……」
「まだ冒険者始めたばっかりだからですかね?」
「折角なのでゴリアスさんの魔法も見てみたいのですが俺に打ってもらってもいいですか?」
「え?人に向けて打っちゃダメだろ!」
(あ、意外とまともな人なんだ)
「あ、大丈夫なのでちょっと試してみたいことがあるから打ってほしいのです」
「嬢ちゃんみたいな威力は無いがそれでも人に当たったらただの怪我じゃすまないぐらいの威力はあるぞ」
「相手が打ってほしいって言ってるんだ打ってやれよ」
「それじゃ行くぞ!!!」
ゴリアスが集中しだすと少し魔力が上がるのを感じる。
「ほう、それなりに魔力を感じるようになったの」
少しすると魔法の炎がレストの体を包み込む。
やはりこちらの魔法は詠唱の概念は無いようだ。
「おー、なかなかの炎じゃな」
「おい!大丈夫か?!」
「吸収反射」
ゴリアスの魔法を吸収して誰もいない方向へ打ち返す。
「は?」
「何だいまのは……」
「魔法を吸収してそのまま反射する魔法です」
「そんな物はじめて聞くぞ」
「俺も俺以外で使える人は知りませんね、生まれつきの体質なので」
「こりゃ……なんていうか……せっかく見せてもらったけど参考にならないわ……」
「そうか、それは残念じゃな」
「この後食事一緒に食べませんか?できればジャックと知り合ったきっかけとか聞ければ」
「べつによいぞ、できればここの名物を紹介してもらいたいな」
「そうですね、せっかくですし名物料理食べたいですね」
「おおう、それは任せてくれ俺達の地元だから旨い飯は自信あるぞ」
村に戻って美味しい料理を食べながらジャックとの出会いを説明する。
色々話し打ちとけ宿も案内してもらう、明日の合流まで一緒に行動する事になった。




