共和国へ配達(4日目) ~迷いの森~
ナナニアを出発してエンリの町まで何事もなく着く。
護衛を頼んできた人は商人だった、、積み荷の中身は有名な酒で盗賊に狙われる可能性が高いらしい。
冒険者が生活に困らなさそうな世界で盗賊が多いなんて人はどんな世界でも人なんだな……。
予定通り昼に着いたのでこのまま北の森を抜けてもいいのだが、本来の予定していた道よりも森を通る距離が倍ほどあるのでどうしたものか……。
「フィン、ここから直接目的地に向かうには予定していた道の倍ほど森を歩くことになるがどうする?」
「となると2日ぐらい森を歩くことになるのか」
「もしかしたら3日かかるかもしれません」
「予定通りの村までここから行って、そこから森を抜けるよりは距離は短いんじゃよな?」
「そうですねー」
「じゃ直接森を抜けようぞ、どうせ魔物が居てもたいしたことないじゃろ」
「では準備しますか、一応森の詳細地図も売って無いか見てみましょうか」
森で3日過ごせるぐらいの食料を買いだめる。
森の地図が売ってないか探してみたが迷いの森に入る人なんていないから地図なんかないって言われた。
ルステリアル王国とモニカ共和国の国境は全体的に森になっているがエンリの町北部の特に大きな森は迷いの森と呼ばれているようだ。
この話を踏まえた上でもう一度フィンに迷いの森を抜けるか相談したがむしろワクワクすると言われたのでそのまま森を抜ける事に決定。
フィンのワクワクするという気持ちもわからなくともない。
この世界に来てからたいした敵に出会ってないので少し物足りない感はある。
平和を目指して戦ってきたのに長年の冒険生活で感覚がおかしくなってしまったのだろうか。
この世界の冒険は責任も何もないので楽しいと感じるせいもあるかもしれない。
迷いの森などというたいそうな名前がついているんだきっと何かあるに違いない。
「とりあえず迷子にならないようにする為によほどのことがない限りまっすぐ歩くことが大事ですね」
「そうじゃな、邪魔な木とか切り倒しながら進むか?」
「それはそれで面白そうですが国境を兼ねてるみたいですし勝手に切り開くと問題ありそうなので今回はやめましょうか」
「切り開いとけば戻るのに楽かなと思ったんじゃが」
「普通はそうなんですけどねー、長年切り開いてないって事は何か意味があるんでしょう」
「そういうものなのかの」
「たぶん……」
町を出てしばらくすると森につく。
迷いの森と呼ばれるだけあってなかなか雰囲気のある森である。
「時間も時間なので森に入る前に睡眠をとってもいいのですがどうしますか?」
「そうじゃの、中途半端に入ってから休憩するより一度ここで休憩したほうが楽そうじゃの」
「では適当に交互に休憩で」
「わしはまだ寝れそうにないのでぬしが先でよろしく」
「はいよ、適当に起こしてください」
念には念を入れて森に入る前に睡眠をとる。
早朝から森に入れば早ければ夜には森を抜けれるかもしれない。




