共和国へ配達(3日目) ~徒歩に飽きる~
盗賊騒ぎで早朝に出発する事になったが朝の散歩気分でさわやかである。
「レスよ、ぬしは前の世界で人と殺し合いになった事はあるのか?」
「いっぱいありますよ、城から出してもらえなかったフィンは知らなかったと思いますが魔王軍側につく人もいましたからねー」
「ほう、仲よくしていた……ってわけではなさそうじゃな」
「おもにこちらの情報を売っていたみたいですが、力なき者の生き方としては間違いでもなかったかと思っています」
「ふーむ」
「ところで最後のやつは魔法をつかっとったみたいじゃが何か感じたか?」
「すごい弱い魔力は感じましたが自滅反射をこっちの世界の魔法に応用して常に使ってるので弱い魔法は無力化されると思いますよ、どれぐらいの魔法まで耐えれるかは魔法使ってくる敵に出会うまでわかりませんが」
「あー、あれか」
「吸収するだけならフィンの魔力でも吸収できるはずなので受け流す事に慣れれば大体の魔法は平気だと思いますね」
「せこいなそれ、わしも使えるようにならんかな」
「どうやってやってるかと聞かれても俺は生まれつきの体質なので説明できませんよ」
「練習するにも失敗したらいたそうじゃしな」
「一緒にいる時はフィンの所まで範囲広げてますから多少の奇襲は平気だと思います」
「ぬしと喧嘩になったら首を絞めるしかないか」
「怖い事さらっと言わないでくださいよ」
「しかし本当に何もない道が続くの」
「飽きてきましたね」
「次の町についたら馬車かりるかの」
「この世界って馬車しかないんですかね?」
「わしは馬車すら知らなかったが他に何かあるのか?」
「馬自体の個人持ちとか長旅するなら必須だったのですが」
「今の所馬を個人で持っとる者はみとらんの、そもそも馬を預ける場所も無さそうじゃったぞ」
「そうなんですよねー、これだけ道が整っているのに個人で使う人がいないって不思議ですよね」
「道って普通にあるものじゃないのか?」
「人が通るところの土が踏み固まって道になって多くの人が使う道が整備されるのが普通だと思ってました」
「そう言われてみれば使いもしないのに整備する必要は無いか」
「たまたま今回出会ってないだけで結構使われている道なのかもしれませんけどね」
「そうじゃの」
そんな話をしていると後ろから馬車がやって来る。
少し通り過ぎたあたりで止まってこちらに向かって話しかけてくる。
「お二人さん冒険者かい?」
「そうじゃがなにかようか?」
「ちょうどよかった、国境手前のエンリの町まで行くんですが護衛の依頼お願いできませんか?」
「護衛ですか?」
「さっき通ったホロローグで聞いたのですがここら辺を縄張りにしていた盗賊が半壊して残党がまだどこかにいるそうで」
(さっきのあいつらの仲間がまだいるのか)
「エンリの町の場所を地図で確認したいのですが」
話しかけてきた人に地図を見せて指さしてもらう。
「ここだね」
目的地よりやや南にずれるが悪い場所ではない。
「そこなら目的地にも近いですのでお受けしましょう」
「ありがとうございます」
馬車を借りようと思っていたのでいいタイミングでもあった。
そう言えばジャックも道中の護衛目的でも雇ってくれていたし盗賊は結構いるのかな。
「ところでエンリの町には今日中に着くのですか?」
「今日中にはつかないので今日はナナニアという村で宿をとる予定になっています、もちろん宿代も出させていただきます」
「わかりました、では外の警戒は俺がするのでフィンは中でいいかな」
「それでお願いします」
「わしは中にいればいいんじゃな」
中は大量の荷物が積み込まれていた。
特に何もないままナナニアという村に着くが荷物の護衛を頼まれたので夜は交互に寝る事に。
明日の昼にはエンリの町に着くらしい。




