共和国へ配達(2日目) ~ホロローグ村の盗賊~
共和国へ向けて徒歩の旅2日目今日は目的地を決めずにできるだけ遠くまで行けるように目指す。
空はまだ飛べないが足の裏に魔力を集中させると移動の補助ができるのでそれを練習しながらひたすら歩く。
「レスよ、これをやり続けるのはちょっときびしいの」
「そうですねー、最初は楽だったのですが魔力の消費が重なってくると普通に歩くよりしんどいですね」
「じゃが普通に歩くよりは遠くまで歩いてこれた気がするの、慣れればもっと楽に使えそうじゃし」
「こっちの世界では魔力の総量って増えたりするんですかね?なれると消費が減るとかかな?」
「どうじゃろうな、今まで会った中では神以外はあまり魔力を感じなかったが」
「魔法の世界なのに魔力が少ないっておかしな話ですよね」
「わしらが多いだけの話かもしれんがなー」
「そういえばわざわざ宮廷魔術師と名乗るのが居るみたいですし全員が全員魔法使えるわけじゃないかもしれませんね」
「そうじゃの、わざわざ魔術師と探検隊と名前分けるぐらいじゃしの」
「物理的な武器が無いみたいですが魔力低い人や魔法使えない人は魔獣等とどうやって戦ってるんですかねー」
「そもそも戦わんのかもしれんぞ、これだけ歩いていても何も出会わんのじゃ森ぐらいにしかおらんのじゃ」
「確かに何も出会いませんねー」
魔物どころか人にも一切出会わない。
「そろそろいい時間じゃし地図を確認して近くの村か町を確認するかの」
フィンは魔法の地図が気にいったようで定期的に確認してはニヤニヤしている。
「後1時間ほど歩けば村があるようじゃの」
「では今日はそこで宿をとりましょうか」
しばらくして村に辿り着く。
村の名前はホロローグ、カーリシアよりもかなり小さく冒険者組合の支店も無いようだ。
「何もない村じゃのー」
「俺は見慣れてますけどねーこういう村」
「まぁ宿さえあればそれでよい」
「宿捜しますかー」
話をしていると村人が近寄って来る。
「おねーさん達冒険者かい?宿を探してるのかな?」
「そうじゃがぬしは何じゃ?」
「うちは宿屋をやっていてね冒険者を見かけると声をかけてるのさ」
「なるほどの、レスどうする?」
「小さな村なので宿がいくつもあるとは思えませんしお願いしますかね」
「そうじゃの」
「まいどあり、ではこっちになります」
「村の一番はずれにある少し大きめな建物に案内される」
「客連れてきたぞー」
先ほどの男が建物に入って叫ぶと人が下りてくる。
「いらっしゃい、二人一緒の部屋かい?別々の部屋かい?」
「一緒でお願いします」
「じゃ、3金前払いだよ、案内するからついてきな」
2階の一番奥の部屋に案内される。
「風呂は無いけどがまんしてくんな」
そう言って案内した人は帰って行った。
「愛想は悪いが部屋はまともじゃの」
「そうですね、風呂は無いようですし食事は保存食ですませて寝ますか」
「そうじゃな」
特にさかえた村ではなかったので料理屋は探さずに食事は持っていた食料ですませて寝る事に。
まだ朝ではなさそうだがフィンの声がする。
「なんじゃぬしらは」
誰かと話しているようだ。
「ん……」
どうやら俺もフィンも体を縛られているようだ。
「えーと、昨日の受付の人ですよね、これはどういう状況かな」
「まだ気がつかねーのかこの間抜けは」
「兄貴もうやっちまいましょうぜ」
「まぁまて、お前ら王都から来たのか?」
「王都から来たと言えば来ましたがそれがなにか……」
「俺らを探してきたわけじゃなさそうだな、王都で盗賊の話題とか聞かなかったか?」
「いやー、特に」
「そうか、ならいいやまだここで商売できそうだ、情報ありがとよ」
「じゃ死んでくれや」
「レスよこいつら殺してよいのか?」
「うーん、あまり気がのりませんが仕方なさそうですね」
「縛られてるくせに何言ってんだこいつら」
「死の棘」
「ウゴグェ……ゴフォ……」
兄貴と呼ばれている男以外一瞬でフィンが殺す。
「魔法剣召喚」
召喚した剣で縄を斬る。
「な……何がどうなってんだ……」
「なんじゃ?殺す気で襲ってきた割には殺されるのは想定外か?」
「くそ、何で魔法がきかないんだ……」
「なんじゃ、何かやっとったのか、魔力が低すぎてわしらに干渉すらできてないんじゃろうな」
「ば、ばけものがあああああああああああああ」
「うるさいの~、ぬしももう死ね」
「うーん、こっちの世界でもこういうのってあるんですね」
「なんじゃ、元の世界でもあったのか?」
「魔王城まで長い旅でしたからねー、荒れた所に泊まることもたびたびありましたし」
「なるほどの、てっきり殺すのは反対されるかと思ったが」
「人の一番の敵は人だって俺もわかっていますよ」
「特になくなった物は無さそうじゃな」
「まだ早いですが出発しますか、ここでまた寝るのも嫌ですし」
「そうじゃの、この死体はどうするんじゃ?」
「王都で話題になってないかと聞いてきたぐらいなので初犯じゃないのでしょう、ほっとけば自警団なりくるでしょうきっと」
「そうか、じゃあそのままでよいか」
後日盗賊の姿が見えなくなって気になって見に来た村人によって盗賊の壊滅が確認される。




