ヨドゥン遺跡の魔法陣(中編)
朝が来た。
結局違和感の正体には気がつかなかった。
いよいよ魔法陣を発動させる。
「それでは魔法陣を発動させます、何が起きるかわかりませんので近くに集まってジーン様を中心にレストさんとフィンさんは敵が現れた時の為の準備をクリスさんは防御魔法をお願いします」
ジャックが魔法陣に向かって魔力を送り始めた。
魔法陣の規模が大きいからか起動まで時間がかかるようだ。
少しすると転移魔法を使用した時と同じような光に部屋全体が包まれる。
ジャックの読み通り居住区への転移魔法であっているのかもしれない。
光が収まると目の前に……。
「ゴーレム!!!」
魔法陣を守っていた巨大なゴーレムがいた。
「しかもなんだこの数は!!!」
それも1体ではない部屋中が巨大なゴーレムで埋め尽くされている。
「クリスさんは護衛を、フィンは反対を頼む、多少暴れて何か壊してしまうかもしれませんがお許しを」
足止めをして倒すなどと言っていられる状況ではないので全力で倒しにかかる。
「飛遠撃 弧月」
俺は広範囲の斬る魔法で対応する。
「死魔球」
フィンが唱えると、大量の小さな魔法の球がゴーレムに飛んで行き被弾すると爆発した。
さすがフィンは本職とだけあって魔法の威力も精度もすごい。
クリスの防御魔法もしっかりしているし後ろはフィンに任せておけば余裕だろう。
こっちも余裕が出てきたしせっかくなので俺は魔法の練習をさせてもらおう。
「棘の檻」
死の棘を元に考えた捕縛魔法。
地面から多数の棘を召喚しお互いの棘から棘に向かってまた棘が伸びる。
イメージした通り発動できた。
「おー、いい感じの魔法になったな」
フィンが余裕そうにこちらを見ている。
どうやらフィンの方は片が付いたようでこちらの様子見をしている。
「手伝おうかと思ったがわしがやると手加減できんからの、余裕そうじゃしまかせるぞ」
「もう少しで終わるのでフィンは警戒をおねがいします」
この部屋以外にまだゴーレムがいるかもしれないが前の時もそうだったがここで出会うゴーレムは一定範囲内に入らなければ襲ってこないようだ。
少し部屋を壊してしまったがゴーレム退治は終わった。
ぱっと見元いた部屋と同じ部屋に見える。
周りに警戒しつつ部屋の探索が始まる。
元居た部屋と違って外に出る魔法は見当たらないようで部屋には2個扉があった。
「2個というのが一番困りますね……」
ジャックいわく探索における選択肢が2個という場合大体1個は罠が待っているらしい。
「あ、フィンあれできる?」
「あれ?あぁあれか、そうじゃのやってみるか」
フィンは監視魔法が使えたのでそれで先に様子を見れるか試してみる事に。
「じゃあ集中するから護衛は任せたぞ」
フィンが目をつぶって集中している。
「おー、ほー、ふむふむ」
フィンが一人で何やら納得している。
「なるほどのー、ふむふむ」
俺も監視魔法使えるようになりたいな……。
「ふぅ、やっぱこれはつかれるのお」
「どうでしたか?」
「どっちも罠らしきものは見当たらなかったぞ、そっちの大きな扉の方はゴーレムを造っとる場所につながってるようじゃ」
「小さい方は最後までは見とらんが色んな部屋と外に続く道があると思ってよいじゃろう、この魔法の欠点はつながってる空間しか見れんからの」
「ジャックさんどうされます?」
「先にゴーレムを造っていると思われる場所を見てみたいですね、ゴーレムを護衛用に作れるなら国の警備の強化につながります」
フィンの言った通り大きな扉の向こうでは動かないゴーレムが並んでいた。
ジャックとセリアが周りを色々調べる。
「ふむふむ、魔力自体は感じますが全く動きませんな」
「何らかの手段で命令を送るまではこんな感じなのですかね?」
「我が国の警備に使えるなら是非使いたいものだ」
「ジーン様あまりゴーレムに近寄らないように絶対に動かないわけじゃありませんので」
ジーンがクリスに怒られている、何処に行っても怒られる人だな……。
「すまないクリス……」
「特に他に何も見つからないのでゴーレムに命令を送る手段はここには無さそうですな」
「それではもう一つの扉の方を探索しますか」
「あー、レスよ扉開ける度に魔法使うのはつかれるのであれはあんまりあてにするでないぞ」
「ほいよ」
フィンほどの魔力があっても疲れる魔法なのか、俺にはやっぱ無理かな。
「では俺が先頭で、次にクリスさん、フィンは最後尾で何かがあったら俺を無視して後ろの守りをお願いします」
あれだけのゴーレムを倒しても誰も駆けつけてこなかったのでおそらく人はいないと思われる。
しかし念には念を入れてここからは慎重に進んだ方がよさそうだ。




