プロローグ
ついに魔王との最終決戦。
「この戦いが終わったら……」
「おい!勇者それ以上は言うな!!!」
「そうよ、フラグは回収するって定番でしょ」
気合を入れようと思っただけなのに戦士と僧侶が手厳しい……。
「じゃあ、行くぞ」
「おう」
「はい」
掛け声と共に3人は魔王がいる広間へ入る。
「ついにここまで来たか勇者達よ、なかなかやるではないか」
即攻撃されると思っていたが以外と紳士的な態度、立ち振る舞いにも品位がある。
「お褒めの言葉ありがとうございます、されど戦故に貴方も討たせてもらいます」
魔族とはいえ相手は王様、最低限の返事はしておこう。
「ほう、返事をするか、今まで来た者達は話など聞かずにすぐに攻撃してきたが」
「魔族とはいえ王様相手に返事をしないのは失礼ですからね」
「ほほう、面白い、勇者よこの戦い話し合いで終わらしても良いのだぞ」
ん?戦わなくてもいいのか?罠?ではないと思うが……。
「おい!」
「ダメよ勇者」
返事に困っていると戦士と僧侶が同時に声をかけてくる。
「わかっている、魔王よそろそろ始めようか」
「そうか、残念じゃの、では」
魔王はそう言うと今までの戦いで見た事がないような巨大な魔力球を作り出す。
いや、大きすぎる……このままでは部屋全てを覆いつくしてしまう、そしてこれは大きいだけではない。
「戦士、僧侶、すまない……」
「気にすんな、こりゃーどうしようもねーわ」
「えぇ、貴方達と一緒ならそれもまた悪くないわ」
「いや、すまない、君達は生きてもらう、あとは任せた……」
この手は使いたくなかったが魔王の力が予想をはるかに超えていた。
避けたり止めたりするだけなら可能だがその後の隙に次の一手を打たれて結局負けてしまうだろう。
魔王の一撃を押し返しつつ魔王に一撃入れる方法はこの手しかない。
強大な魔力はあるのにまともに魔法が使えない俺が使える唯一の魔法。
「自滅反射」
相手の魔法をすべて吸収し自分の魔力と融合させて放つ究極の魔法、相手の魔法の威力が強ければ強いほどより強力な威力を発揮するが自分もその威力をそのまま食らう。
「うわー、すごい魔力……、これはくらうとまずいなー」
まだ魔王は余裕があるようだ。
「次元断層」
魔王が魔法を唱えると魔王の前に黒い空間が現れた。
「無駄だ!その魔法ごと吸収して打ち込んでくれる」
勇者がゲートの魔力を吸い込むと轟音が鳴り響き、勇者と魔王の周りの空間が丸ごと消えてなくなった。
「勇者!おい!勇者ああああああああああああああああああああ」
戦士が叫ぶがそこに勇者の姿はない。
「あっ……うぅ……」
僧侶は声にならない声で泣いている。
「国に帰ろう……魔王を倒せたことを王様に報告しないと……勇者に任されたからな……」
長い戦いは終わった、魔王は倒せたが勇者もまた帰らぬ人となった。




