第七怪 怪奇との遭遇
執筆終わりました!
今アクセス回数と評価見たんですけど増えてて嬉しいです(>_<)
22ptも評価されるなんて驚きです!!
これからも評価して下さると執筆の励みになりますのでお願いしますね!
しばらくして、奴の姿を確認できた
ブヨブヨに太ってる巨体、顔が痩せ細っており
鼻からは蛆虫がウジャウジャと姿を現していた。
「ギギギギギギィィィィ」
またうるさい声が脳に響いている、あんな怪物に出会ったのは初めてだ
僕は必死に耳を抑えながら立ち上がることにした。
「──ぐぅ!?」
それでも奴の声が耳の穴から脳みそへと伝わり
僕の精神をゆっくりと蛇が動いてるような感じに徐々に崩壊させていく
「くそが...っ!」
「ギギギギギギィィィィ!キェイアアアア!!」
怪奇は手に中華包丁を持ち、僕に目掛けて突進してきた
このままだと殺られる...そう感じた時、咄嗟に右に躱わした
すると何かがパリーンと割れる音がした
「──しまった!?御神酒が割れてしまっただと」
持っていた御神酒が躱わした衝撃で落としてしまった
中身から酒が溢れ出ていく...
このままだと、刀に付いた穢れが落とせな...ん?
よく考えてみると、奴の倒し方があったじゃないか
ゴボゴボゴボゴボゴボゴボと流れる酒...
「立ち止まっていられないな」
まだ中身が残っているうちに、割れた御神酒を拾い上げた
これを刀に付着していた血に流せば穢れを落とせるはずかもしれない。
緊張と不安、安心が混ざり合うという複雑な気持ちを抱きながらも
僕は刀に御神酒を流そうとした...が
「キキキキィィイ!」
突然ガタガタガタガタガタと地響きが起きる
怪奇が叫び声を上げた瞬間、とてつもない揺れが起きた
「こいつ、叫び声を上げて揺れを起こせるのかよ...!」
バタッと僕は倒れてしまった
僕は揺れで体勢を崩してしまい、床に手をついてしまった
どつやら怪奇の叫び声は揺れを起こし、その声で人を動きにくくするようだ
これでは身体が保たなくなる。そして、力を振り絞って立ち上がった
「うおぉおおっ!!」
揺れで体勢を崩さないようにダンボールにしがみついた
怪奇が叫び声を上げてないうちに早く穢れを落とさなければ...
「ググググゥウウ...」
そして僕は血が付着した刀に御神酒を流し、穢れを落としていった
その様子は端から見れば異常な光景かもしれないが、今はそういう場合ではないだろう。何故ならこっちには命が懸かっているんだ、何もしなければ死んでしまう。
ポタポタポタポタ...御神酒を刀に垂らして穢れを落とした
「よしっ!刀の穢れは落ちたぞ...あとは怪奇に刀を斬りつけるだけだ」
「ん?」
ふと、足に違和感を感じていた。何だ、ヌチャヌチャと音がなるぞ
怪奇を倒そうとするのに夢中になっていたから分からなかったが
足元には怪奇の人差し指が落ちていた
「──ぬおぉお!?」
僕はドサッと倒れるのと同時にカタンッと音が鳴った
驚いた拍子に僕は刀を落としてしまった。このままではまずい
早く刀を拾い上げなければ...その時、怪奇が突進してきた。
「キキキキィィイ!」
「くそっ!こんな時に突進してくるんじゃねぇよ!」
迫り来る怪奇に対して僕は次は左へと躱わした...はずだった
突然、ギチュッ...という気持ち悪い音が聞こえた
右腕に異物が押し込まれたような感覚を感じた
なんだ?熱いぞ...。腕を見ると怪奇の中華包丁が突き刺さっていた
同時に激しい激痛が襲った
「ぐああぁっ!!」
「いてぇっ!ああぁあっ...!!」
その痛みは肉の肉へと血管へ伝って、精神へと辿り着く
いくら自分が人間ではなくても痛覚は感じる
そして怪奇が中華包丁を抜いた瞬間再び激痛が僕を襲った。
「があ”あ”ぁ!!」
中華包丁を抜かれた衝撃で鮮血が迸った
溢れ出る鮮血、そして生温かな感触、そして感覚が弱くなっていく
意識が朦朧とする中でも刀の方へと向かおうとした
「ここで...死んで...たまるか...」
声が途切れそうになりながらも必死に刀へと向かったが
──僕はバタンッと音を立ててしまった
いよいよ僕は地面に倒れてしまった。ここで死んでしまってはダメだ
何とか立ち上がるんだ...。
「ギギギギギギィィィィ!!」
──ガタガタガタガタガタと鳴る音
怪奇が上げた叫び声の揺れの反動で、刀が僕の方へと徐々に近付いていく
腕を伸ばし漸く刀を持った
しかし、立ち上がれない...。これでは怪奇に攻撃できない。
「はぁ、はぁ...いや、攻撃は出来るか...」
刀を握り怪奇の足へと斬りつけた
「──ギィイイイイ?!」
斬りつけた足が徐々に蒸発していく、これならチャンスかもしれない。
「うおぉおおっ!怪奇!これでも...くらえ...っ!」
僕は不安定な身体を起き上がらせて、怪奇の身体へと斬りつけた
「ギェアアアアアアアアッグギィ」
──斬ったのと同時にシューーーという音が鳴った
怪奇は断末魔を叫びながら、静かに蒸発していった
正確には消滅した...か。
「ぐっ...?!た、助かったのか...」
僕は緊張と不安が消え去った直後にダンボールへと倒れ込んだ
「あいつは一体なんだったんだ...」
「この怪奇事件の犯人ということは分かるが、犯行の動機がわからねぇ」
...
「考えても意味がないな、とりあえず事務所へと戻るか」
僕は足を引きずりながら部屋から出て行った。
「はぁ...はぁ...」
歩いていると、急に浮遊感を感じた
「──なんだ」
「うおぉっ!?」
情けながらバタバタバタバタ、ドッシャンと音を立ててしまった
「畜生...そういや2階の階段は壊れていたな...」
どうやら2階の階段が壊れていた事に気が付かなかった僕は
転がり落ちたようだった。
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いつかはキャラクター紹介してみたいです