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空音の怪奇譚  作者: 如月颯人
第二章:深淵迷宮の噂
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二十八怪 道の駅の怪 0.4


──そして私は頭痛を我慢しながら歩道へと着いた

地面は神社にあるような丸石で作られていて、それに少し色褪せたていた

頭の中では『こんな歩道だっけ?』と脳裏をよぎっていた。


「うぐっう......頭が痛いよ」


痛みの速さが増して段々と頭痛が酷くなっていく

まだギリギリ耐えられる為、呼吸を整えて辺りを散策する。


丸石の歩道を進んでいくと外灯らしき明かりが見えてきた

だけど何故か何かの『違和感』を感じてしまう

外灯の明かりを見えた事に喜ぶべきだと思うのに、素直に喜べない。


「何かがおかしい気がする」


『おかしい』ただそれだけだった。

何かがおかしい、けどその何かが解らないからモヤモヤする

気になった私は、少し近づいて外灯を確認する事にした


近づいてみたのは良いものの、外灯には何の異変も変哲も無い

探せば何処にもあるような外灯にしか見えない

『なんだ、気のせいか』と思いながら外灯で照らされてる辺りに行く


「......? 何か変だ」


照らされてる部分が明らかに変だった。

そこには不自然に出来た影が存在を現していた。

他に建物や障害物みたいな影になるような物は設置されていないはずなのに

どうして『人影』みたいな影が映りこんでいるの?


私は小さな悲鳴を上げて後退ると、影がこっちを見るように向きを変えた気がした

不気味に佇んでいる謎の影は直立不動のまま私をじっと見ている

ただそう思い込んでいる可能性もあるかもしれないけど


「だ、誰かいるんですか......?!」


影の方へ問い掛けても一切の返事が返って来なかった

無視をされているのか、それとも本当に何かの影なのか、それ以上の可能性が私の頭の中へと荷物を置いて行くかのように乗っていく。


しばらくすると影が徐々にこっちに近づいて来てるのが見える

分かりづらいけど1mm、1mmと少しずつ、不安を煽るかのように近づいて来る

幻覚......? あまりにも恐怖で幻覚を見ているのかな......

私は一歩ずつ、後退りをしてなるべく影から離れようとする。


『うあっああ』

「──ひっ......!?」


突然背後から酷く苦しんでるような呻き声が耳に大きく伝わって来た

私は反射的に振り返って後ろを確認をしたけど、不思議だ誰も居なかった。

首を傾げたい所だったが、そんな事をしている場合じゃなかった。


「ここ、何かがおかしいよ......影も出て、呻き声も聞こえるし......」


私は怖くなり走って道の駅の休憩所の場所へと戻ろうとする

煩いような足音が鳴り響き、私の呼吸音までもが煩く感じるほど辺りは沈黙に包まれており精神的に追い込まれて行きそうだった。


やった、目印である駐車場が私の視界へと映りこんだ。

このまま走って行けば休憩所にたどり着く事が出来ると思い、スピードを徐々に上げて行き全力疾走で走って行く。


──突然、またズキズキといった頭痛が起きてしまう。

今度は更に激しく痛んで来ており、その場に跪いてしまった


「あぁ......っ。痛い、何なのこれ......本当に頭痛なの!?」


この痛みは頭痛という程の小さい痛みじゃないことを思う

まるで頭に重病を患っているんじゃないか位の激しい痛みだった。

何とか痛みを限界まで我慢しながら正面を見上げると


目の前には見覚えのある『外灯』が再び視界に映りこんだ。

そう、あの外灯は影が見えていた外灯であり呻き声が聞こえた場所でもある。

まさか同じ場所へ戻って来てしまったのかな


あの時みたいに永遠に繰り返しているのかもしれない

真宮邸での怪奇現象──同じ場所をずっと歩いてること──のように。


「まさか、そんなことないよね......」


私はもう一度道の駅の休憩所まで止まらずに走って行く

駐車場が見えた途端、鬱蒼とした景色が見えて再び頭痛が起きてしまった


「いった......やっぱり何かあるんだ、誰がこういう事を......」


頭を押さえながら一つの考えにたどり着くが出来た

もしかしたら『怪異・怪奇』が道の構造を変えたんじゃないかなって

前も体験した時もそうであって、何かしらの者が何らかの理由があり、私を帰らそうとはしなかった。


「影......かな」


空間みちを作り出したのは外灯にいた影が原因だと考える

この場所は外灯一個しかなく、殆どが真っ暗で頭痛が起きてる私からすると恐怖スポットとしか思えないほどだった。


──そして、いつもと違う禍々しいようで冷酷な風が身に染みる。

ここから先、初めて感じた有り得ないほどの不吉な予感がしてきた

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