二十六怪 道の駅の怪 0.2
投稿です!
活動報告にも書いた通り300pt突破しました!!ありがとうございます!
それと、0.5話から会話文の改行?しないようにしてますので、投稿されても『あれ?書き方変わった?』など言わないでください( ・_・;)
「あ...たは...しの...き...さん...ゃ...ない」
『うひひゃひひひひひひあああああっ』
──すると声の正体は奇声を上げながら不気味に笑い始める
まだ、縛られたようなキツい感覚は無くならない。
そして、受付の外から誰かが此方へ走ってくる音が聞こえる
それも激しい音を鳴らしながら慌ててこっちに来てる感じがする
怪異なのか、生者か、はたまた動物なのか
次第に音がだんだん近づき扉が思いっきり開けられた音が聞こえた
「おい、新島君大丈夫か!?」
どうやら、走ってきた音の正体は篠崎さんだったようだ
ふと体を動かそうとすると金縛りが既に解けていたことが分かった
篠崎さんの方へ顔を向けると恐怖に怯えてる表情の篠崎さんがいた
もしかして危険を感じて私を助けに来てくれたのだろうか
「だ、大丈夫です......少し怪異みたいなのが......」
「やっぱりか、受付の方を見ると苦しみもがいてる姿を見てな」
安心したのか、いつも通りクールな表情に戻る篠崎さん
やっぱりその表情が篠崎さんにはお似合いだと思った。
それに、私はいつの間にか苦しみもがいていたのか、金縛りの時は苦しみやもがくような事は無かったはずだと思う
「そうなんですか......あ、大谷さんは?」
「大谷は外の方を調べているところだ。それに俺が居なかったら死んでいたぞ」
確かに篠崎さんの言う通り、あのまま金縛りが解けないまま
そして篠崎さんが助けに来てくれなかったら死んでいたかもしれない
それに、あの幼い口調で気味の悪い笑い声の正体は一体何だったんだろうか
表情を確認しようとしても金縛りで見れなかった為、容姿など見れなかった
でも考えられる事は1つ、明らかに人間では無かった。
「あ、ありがとうございます......」
「大丈夫だ、でもこれからは俺と一緒に着いて来い。いいな?」
篠崎さんは口を笑わせながら答える。
これからは一緒に着いて行かないと、私の身が危なくなってしまう
ここは1人ではなく篠崎さんの後へ着いて行く事にした。
それに暗闇に慣れた所為か、周りが明るくなった気がする
今まで不気味な雰囲気を醸し出してた和室みたいな受付の中だったが
こうやって見ると懐かしい感じがする
温かな感じ、そして畳の匂いが鼻に染みてくる感じが良い。
「おい、周りを見ていないでこっちに来い」
「待って下さい! まだ調べてない所があります」
「仕方ないな、待っててやるから早く調べて来てくれ」
私はお辞儀をし『ありがとうございます』と言って周りを調べる事にする
さっき金縛りにあったタンスの所へ、ゆっくりと歩いて行き
タンスに着いて最初の段──能面が仕舞っていた場所だ──を開ける。
──さっきまでは感じなかったが、木の臭いがふわっと鼻に来る
タンスの中を見ているが『能面』らしきお面は一個もなかった。
いや、もしくは最初から存在しなかったかのように無くなっていた
そして、そのまま二段目を開ける
中には赤いカーペットらしき物が敷いてあり、そしてビー玉、マッチ箱、小物入れ等の物が不規則な感じに並んでいた。
私は何かに必要な感じがして仕方ないので、一個ずつ胸ポケットに入れる。
胸ポケットはもう直ぐパンパンになりそうな程に溜まっていた。
「少し重い気がする......」
独り言を言いながらも最後の段を順調に開けようとすると
ふと何かがおかしい気がする、というよりかは違和感を感じた。
おかしいと思いながらも最後の段を開ける
「──きゃっ!?」
すると、人の影が私の横を通り過ぎて行った。突然の出来のため小さな悲鳴を上げる
私とタンスの距離はそれ程ない為、横に通り過ぎる事は不可能だ
人が通るには狭過ぎるから霊が通ったのに違いは無い。
そう言えばさっきから無視をしているが何かの声がどこから聞こえる
男性なのか、女性なのか、子供なのか、大人なのか分からないような声だ
『でもそう言うけど馬鹿なのは馬鹿だよね』
『そんなのしらね』
謎の声が襖の方から思いっきり聞こえてきた
念の為、篠崎さんも聞こえたのかどうか確認しようとする
「あの、さっきの話し声聞こえましたか?」
「ん? 別に何も聞こえなかったが、どうかしたのか?」
「実は襖の方から話し声が聞こえてきまして......」
篠崎さんに事情を話すと『分かった』と言い一緒に着いてくるようになった
襖の方へ行くと、突然ガタガタと音が襖から鳴り始めた。
流石に篠崎さんも驚いたようで一瞬だけビクッと反応を表した。
「ネズミでも入ってるんだろ。じゃあ、開けるぞ」
「は、はい......」
篠崎さんはゆっくりと襖を慎重に開けていった
中には布団と座布団しか無く、ガタガタと音の鳴る正体なんて無かった
音の正体が分からないと、余計怖くなり私達は困惑し始める。
「あれ、音って何処から鳴っていましたか......?」
「襖からだ。ネズミ一匹も出て来ねぇなんて有り得なすぎるだろ」
あの篠崎さんでも顔が真っ青になっている
もちろん、私も同じく顔が真っ青になっているのだろう。
ネズミがいないとすると音の正体は一体何か。
そう言えばいつの間にか話し声も聞こえなくなっていた。
「もっと詳しく調べて見ませんか......」
「くっ、こうなったら意地でも調べてやるか」
そう言って篠崎さんは襖を調べ始める。
二段式になっており、上は布団と座布団があり、下には椅といった物が置いてある
私は下の方へ調べて、篠崎さんは上を調べる事にした




