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空音の怪奇譚  作者: 如月颯人
第二章:深淵迷宮の噂
23/31

二十一怪 何者からの招待

遅れてすみません!投稿期間が3日に一話になりそうです


──ここから先は応接室だ

私からすれば未知の世界こと未知の部屋。

一体何があるのかは分からない

でもここは警察署だから警戒しなくていいかもしれない。


「ここが応接室......ですか?」

「そうっすよ、ここは結界があるので霊現象はないっすので安心っすよ」


そう言うと大谷さんは応接室の扉を開ける

開けた先には真宮邸の部屋を小さくした感じの豪華な部屋がある。

真ん中には黒いテーブルがあり、ソファが左右に二つある

黒いテーブルが天井のシャンデリアの光で反射して私達の姿がくっきりと映る。


「ここが応接室っすよ」

「応接室とは思えないほど豪華ですね...」

「これは渡部警部補わたなべけいぶほが投資して作り上げた部屋っすからね」

「どうして、わざわざ豪華に作る必要があったんですか?」

「思い出深い部屋だったんじゃないすかね...... 詳しくはわかんないっす」


大谷さんは『はははっ』と丸見えの愛想笑いをする


「お茶欲しいっすか? 応接室にあるポットから沸かすんすけど」

「あ、喉が渇いたのでお願い致します」


私がお願いをすると、大谷さんはポットから沸騰したお茶を

シンプルで白い湯のみに注ぎ込む。

中が黄緑色に輝く湯のみからは湯気が立っていた


「はい、お茶っすよ。熱いので気をつけてくださいっす」

「ありがとうございます」


私は火傷しないように、湯のみをそっと持つ。

触った感じは村で飲んだ出来立てのお茶とあまり変わらない熱さだ


そして、お茶をゆっくりと飲むと茶の風味と美味が口一杯に広がる

村のお茶より美味しい、一体どこで作られた物なんだろうか

そう思いながら一気に飲みあげる。


「ぷはぁ...... 大谷さん美味しかったですよ」

「そうっすか、それは良かったっす!」


すると大谷さんが何か思い出したかのように私に言う


「そういえば最近、警察署内では悪戯の手紙が送られて来るんっすよ」

「突然どうしたんですか? それに悪戯の手紙って......」


大谷さんは困った顔をして此方を見る

北沖警察署からすれば重大な事なのだろうか

現に心霊現象が起きているから仕方ない事かもしれない


私はお茶を飲み終え手を合わせて『ごちそうさま』と心の中で言う。


「そうっすね、黒い手紙で白い筆で『深淵迷宮へようこそ』とだけ

書かれていたんっすよね」

「なる程、それで深淵迷宮とは......?」

「いやぁ~分からないっすね。何せ場所とか書かれていなかったすから」


黒い手紙に書かれていた『深淵迷宮』とは何だろうか

大谷さんが知らないと言うことは、警察署の人たちも知らないことだろう

恐らくこれは怪異と関係してるのだろうか


「不気味ですね、やっぱり怪異が関係してるんでしょうか?」

「そうっすね、怪異は最初に小さい事を起こしてくるっすからね」

「最終的にどういう事を起こしてくるんですか?」

「......祟りみたいな感じを起こしてくる感じっすね」


私は『祟り』と聞いてもパッと来なかった

祟りというのは徐々にゆっくりと呪われていくのか

それとも、一気に襲い掛かって来て人々を殺されてしまうのか

疫病か何かをバラ撒く感じだろうか


「それって人間では対処出来ないと思う気がするんですが」

「俺も新米刑事なんで対処方法はわからないっす......」


そして私達は黙り込み、沈黙が訪れる。

怪異の倒し方が分からない以上、対抗も難しいはずだろう。


──突然ノック音が聞こえてきた。恐らく篠崎さんだろうか


「おい、入るぞ」


入って来たのは篠崎さんだった

冷静な声とは裏腹に慌てている様子をしている

刑事課で一体何があったのだろうか


私は何が合ったのか聞くことにする。


「し、篠崎さん。そんなに慌ててどうしたんですか?」

「そうっすよ...... 顔が青ざめてるっす」

「実はな...... 刑事課で1人の警官が突然重傷を負ったんだよ」


う、嘘でしょ......

重傷を負ったのであれば声か、何か音が聞こえてくるはず

なのに応接室からは一度も聞こえて来なかった

一体ここの警察署で何が起きたのだろうか?


「ほ、本当っすか!? 刑事として放っておけないっす!」

「おい待て、大谷!!」


大谷さんは走って何処かへ行く

恐らくは事件が起きた刑事課へ行こうとしたのだろう


「篠崎君、俺たちも行くぞ。大谷だけでは頼りないかもしれない」

「はい......分かりました」


私達は応接室から出て行き

篠崎さんが先頭になり刑事課へと向かう


そして刑事課へ着いたが何かが起こったような変化がない

周りの警官と刑事は資料を纏めたり、忙しそうに対応しているだけだった。


「あれ......篠崎さん。何も起きてませんよ?」

「嘘だろ、あれだけ騒ぎになっていたはずなんだが」


篠崎さんは背の低い刑事さんに話を聞きに行く

私も着いて行き内容を聞きに行った


「おい、ここで警官が怪我をしなかったか?」

「怪我で......すか? 何も起きていないようだけど......」

「馬鹿な、さっきあんな警官が重傷を負って騒ぎになったはずだろ」

「......はぁ?」


何も起きていない? 篠崎さんが慌てるほどの事件が起きたのに

何かがおかしい、篠崎さんがおかしいのか、警察署がおかしいのか......

重傷を負った警官、だけどそんな人は誰もいない。


「もういい、時間を取らせて悪かったな」

「は、はぁ......」


篠崎さんは機嫌が悪そうに戻ってくる。


「ちっ、ここの奴らどうなってんだよ。」

「怪我を負った警官なんた居なかったんですよね?」

「なんだ、話聞いていたのか......実はそうだ、あんな事が起きたはずなのに誰も見てない、知らない。と言うんだよ」


すると大谷さんが戻ってくる


「だ、誰も重傷負ってないそうっすよ?」

「そうみたいだな、一体ここはどうなちまってる......」


二人とも怪訝そうな顔している。

篠崎さんは顎に手を当てて考えているようだった


「あの、これも怪異の仕業じゃないんですか?」

「怪異っすか......有り得るかもしれないっすね、篠崎さん?」

「あまり信じたくはないが、恐らくそうだな。」


私は二人共に質問をしてみる

怪異のこともそうだけど、ここの警察署で他に異変とかあったのか

それを聞かない限り不思議な原因を解決出来ないと思うからだ。


「この警察署で何か異変とか起きたことありますか?」

「あまりないな......強いて言えば、後ろに気配を感じるだけだな」

「俺もないっすね、他の警官なら知ってると思うんすけどね......」


二人共、何も知らない様子だった。

大谷さんの言うには警官なら知ってるらしいが

本当に知ってるかどうかは怪しい気がする


「では、手分けして聞きに行きましょう。そうすれば短時間に話を聞ける可能性があると思いますし」

「あぁ、それもそうか......よし、大谷。手分けして聞くぞ」

「えぇ......まぁ、いいっすけど。新島さんは気をつけてくださいっす」


私は心配される必要はないと思う

聞き取り調査みたいなのは経験しているし、直ぐに終わると思うはず

ただ頑固な警官だったら時間が掛かると思う。


──そして私は異変があったのかを聞きに行く

仕事に熱心している警官ではなく暇そうな警官から聞きに行くとしよう

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